【美の壺】悠久なる器 青磁 File 493 で紹介された場所はどこ?/草刈正雄 木村多江

美の壺

NHK「美の壺(びのつぼ)」は普段使いの器から家具、着物、料理、建築に至るまで、衣食住、人の暮らしを彩ってきた美のアイテムを解説してくれる番組。紹介されたものは何?場所はどこ?出演は誰?どこで買える?と興味津々。
そんな気になる「美の壺・美術の鑑賞マニュアル」を詳しく調べてみました。
美の壺「悠久なる器 青磁」File 493
出演は俳優の 草刈正雄(くさかり まさお)さん、ナレーション(語り)は俳優の 木村多江(きむら たえ)さんです。

放送時間

BSプレミアム
初回放送:2019年12月20日(金)19:30~20:00
再放送 :2019年12月28日(土)6:30〜、2020年11月6日(金)19:30〜、11月13日(金)06:45〜
BS4K
再放送 :2020年2月20日(木)19:00〜、2月27日(木)9:00〜、11月6日(金)19:30〜、11月13日(金)09:00〜

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【美の壺】白磁 File 517 で紹介された場所はどこ?/草刈正雄 木村多江
NHK 美の壺「白磁」File 517(2020年10月30日放送)。出演は草刈正雄さん、語りは木村多江さん。佐賀・有田の磁器、柳宗悦を魅了した朝鮮白磁大壺、人間国宝 富本憲吉さんの白磁八角壺を紹介。真木啓子さん、西山正さん、崔在皓さん、黒田泰蔵さんが登場。

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【美の壺】2021年度バックナンバー 放送日時と出演者まとめ /草刈正雄 木村多江
NHK「美の壺」2021年度(2021年4月-2022年3月)の番組バックナンバーと放送日時まとめ。出演は草刈正雄さん、語りは木村多江さん。ゲスト出演者、紹介されたお店などをリストにしています。随時更新中。

美の壺 悠久なる器 青磁 File 493 内容

番組予告

▽皇帝が青磁に求めた「空の青」とは?
▽幻の色の再現を目指す、陶芸家に密着!
▽茶人が憧れる、青磁の茶道具。気品あふれるたたずまいを生かした「見立て」を楽しむ!
▽気鋭の作家が生む、青磁の質感を生かすフォルムとは?
▽青磁が引き立てる、豪華で鮮やかな精進料理!
▽香道の家元・志野流に代々伝わる青磁。織田信長・豊臣秀吉が所持したという香炉とは?
▽青磁の滑らかな手触りが、風雅な香りの世界へ誘う!

プロローグ

おじいちゃんの命日におじいちゃんが大好きだった青磁の花瓶を出す草刈さん。
花を飾ろうと思っていたのに、花瓶がどこかへ行ってしまいました。
誰も見てないはずなのに、あれ?誰かに見られてる??

美の壺 一、憧れの青を求めて

ひとつめのツボは 憧れの青を求めて

栁澤秀和さん / コレクター

株式会社サニー電化社長で陶磁器や絵画などの名品を収集している 栁澤秀和(やなぎさわ ひでかず)さん。品格も備えていてあたたかみや深みがあって優しい、と青磁の見せるさまざまな表情に引かれています。

岡部嶺男(おかべみねお)作 粉青瓷碗(ふんせいじわん)は「粉青色(ふんせいしょく)」というしっとりと落ち着きのある青。光を包み込むような柔らかな肌合いが魅力です。
岡部嶺男(おかべみねお)作 窯変米色瓷博山炉(ようへんべいしょくはくさんろ)は「米色(べいしょく)」という茶褐色の香炉。こちらの作品は美術館の「岡部嶺男展」に貸し出しするほどの名品。
青磁の質感はまるで宝石のよう。「やきもので宝石を想像するのは青磁以外にはないと思う」と栁澤さん。

栁澤さんはいろいろな光のもとで見え方の違いを楽しんで鑑賞。障子越しのやわらかい光、それも午前と午後では光と表情が変わってきます。
わずかな色の変化を愛でる。青磁ならではの味わい方です。

大阪市立東洋陶磁美術館 / 汝窯 青磁 水仙盆

大阪市中之島にある 大阪市立東洋陶磁美術館(おおさかしとうようとうじびじゅつかん)は陶磁器専門の美術館。青磁の名品が並びます。

1~2世紀(後漢時代)越州窯(えっしゅうよう)の 青磁 印文 四耳壺(せいじ いんもん しじこ)。現在の中国 浙江省(せっこうしょう)で作られました。
鉄分を含んだ釉薬が酸素不足の状態で焼かれることで緑がかった色になりました。

6世紀(南北朝時代)の 青磁 天鶏壺(せいじ てんけいこ)。豊かな発色を求めて窯の構造も改良されていきました。透明感のあるガラス質の光沢が見られます。

11世紀北宋の第8代皇帝 徽宗(きそう)が 汝窯(じょよう)という窯郡(かまぐん)に宮廷専用の窯を作ります。
求めた色は「雨上がりの雲の切れ間から見える空の色」。
汝窯の陶工たちは皇帝の求めに応え、「天青色(てんせいしょく)」と呼ばれる色を生み出しました。今なお青磁の世界で理想の色とされ続けています。
紹介されていたのは11〜12世紀(北宋時代)青磁 水仙盆(せいじ すいせんぼん)、安宅コレクション寄贈品。
台北の国立故宮博物院にも汝窯の青磁水仙盆が4点所蔵されていることも有名です。2016年12月に大阪市立東洋陶磁美術館で開催された『特別展「台北 國立故宮博物院 北宋汝窯青磁水仙盆」』では汝窯青磁水仙盆が一堂に会するとあって人気を博しました。

大阪市立東洋陶磁美術館 館長 出川哲郎(でがわ てつろう)さんは「汝窯の陶工たちは人工の玉(ぎょく)を目指していたのかもしれない」と語ります。

2007年汝窯の色に迫る分析が発表されました。
光学顕微鏡で見ると表面には細かな気泡。これが光を乱反射させます。
隙間にはカルシウムなどが残っていてこれらが混ざり合うことで柔らかさと奥行きを生み出していました。
平面ではなく深み・奥行きがある天青色。植物性でも鉱物性の顔料でも出せない独特の色合いは人間の作り出した最高のやきものだと出川さん。『特別展「台北 國立故宮博物院 北宋汝窯青磁水仙盆」』のキャッチフレーズも「人類史上最高のやきもの」「神品降臨」と最上級の賛辞が添えられていましたね。

名前大阪市立東洋陶磁美術館(おおさかしとうようとうじびじゅつかん)
住所大阪府大阪市北区中之島1-1-26
WEBhttp://www.moco.or.jp/
営業時間火〜日:9:30〜17:00
定休日月曜

塚本満さん / 快山窯 陶芸家

再現が極めて難しいといわれる 汝窯 青磁(じょよう せいじ)の天青色
再現に挑むのは美濃焼の中心地・岐阜県土岐市で 快山窯(かいざんがま)を構える陶芸家 塚本満(つかもと みつる)さん。江戸中期に築窯した快山窯、先代の9代目当主は重要無形文化財(人間国宝)塚本快示(つかもと かいじ)さん。1990年に塚本満さんが10代目当主となりました。

塚本さんが汝窯青磁を最初見たのは学生の頃に行った大英博物館。空の青を深くたたえた湖の奥行きのあるような色。汝窯の 釉薬(ゆうやく)に魅せられたそうです。

まず釉薬の原料となる「長石(ちょうせき)」という石を砕いていきます。長石が釉薬の中の土に含まれる微量の鉄分を青く変化させると考えています。
これまで実験したテストピースは500種類。長石の配合や窯の温度を変えて試してきましたがいまだ汝窯の色には到達していません。

釉薬をかけます。汝窯の青磁は釉薬が薄いことが特徴ですが塚本さんはじっくり浸し、層を厚くすることで色の深みをねらいます。
2日後に窯入れ。およそ18時間かけて窯の温度を950度に上げていきます。
さらに窯の中の酸素を減らして温度を1,200度に上げると釉薬の中の鉄分が青く発色。「還元焔焼成(かんげんえんしょうせい)」といわれる焼き方です。

2日後に窯出し。今回仕込んだのは22点。
わずかな温度の違いに反応する繊細な釉薬を使ったため作品の多くに色むらが出ていましたが、3点ほど汝窯に少し近づいたと思える仕上がりがありました。
しっとり優しい青。汝窯に憧れ挑み続ける塚本さんの青磁です。

名前快山窯(かいざんがま)
住所岐阜県土岐市駄知町1805
WEBhttp://www.kaizan.net/
営業時間月〜土:8:00〜17:00
定休日日曜、第2・4土曜

美の壺 二、古(いにしえ)の時代を写す

ふたつめのツボは 古(いにしえ)の時代を写す

小澤宗誠さん / 裏千家正教授

裏千家(うらせんけ)正教授 茶道家 小澤宗誠(おざわ そうせい)さん。
1956年生まれ、裏千家学園で茶道を修養、今日庵行 躰永井宗圭師に師事。京都大徳寺別院徳禅寺住職の橘宗義和尚様が「誠之庵(せいしあん)」と命名してくださったご自宅で茶道講座「誠之会(せいしかい)」を主宰されています。
大河ドラマ「黒田官兵衛」「江」「真田丸」、朝ドラ「半分青い」などの茶道指導も担当されています。もしかしたら「真田丸」で草刈さんとご面識があるかもしれませんね。

小澤宗誠さんは中国陶磁を収集。青磁の茶碗や花入などは茶の湯の世界では特別な存在だといいます。
茶道のお道具には格があり、それぞれの格により扱いが違います。青磁は「真」の花入。格付けの真・行・草の中で一番高い扱い。唐金、古銅などの金の花入と同じ格。

使うのは南宋時代に作られた青磁の水指。花入を置く薄板は青磁の格に合わせて端が矢の形をした 矢筈板(やはずいた)を合わせます。
生けるのは 西王母(せいおうぼ)というツバキと 満作(まんさく)の照り葉。緊張感のある姿に仕上げていきます。
もともと青銅器を意識してつくられたという青磁、硬い形ながらも温かく感じたりする不思議な魅力があるようです。

名前誠之庵(せいしあん)
住所神奈川県平塚市徳延175
WEBhttps://seishian.com/

伊藤秀人さん / 陶芸家

やきものの産地として知られる岐阜県多治見市で工房を構える陶芸家 伊藤秀人(いとう ひでひと)さん。1971年に多治見市に生まれ、多治見市陶磁器意匠研究所修了後に土岐市に開窯。以来精力的に捜索を続け多くの賞を受賞しています。
近年は青磁に注力。さまざまな形の青磁を作り続けています。

古典的な造形からインスピレーションを得て制作をしてきた伊藤さんは青磁の伝統と現代性をどう融合させるか試行錯誤してきました。
青磁の魅力は金属器の重厚感・ハリに玉を思わせる質感が乗ったときに金属器とも違う特別な格調が出るところだと伊藤さんは語ります。
目指すのは薄さとハリを持ちながらもほのかな揺らぎを感じさせる造形。目の粗い土と細かい土を混ぜて強度と自在性を持たせています。

薄さにはこだわるという伊藤さん。薄くハリのある形に青磁の柔らかな質感が合わさっっています。
焼く時に出る自然のゆがみが醸し出すゆらぎも伊藤さんの青磁の魅力です。

美の壺 三、主役に寄り添う

最後のツボは 主役に寄り添う

黄檗宗大本山 萬福寺 / 普茶料理の大皿

京都府宇治市にある 黄檗宗大本山 萬福寺(おうばくさんだいほんざん まんぷくじ)。およそ350年前に中国の高僧 隠元(いんげん)により開かれました。

萬福寺では 普茶料理(ふちゃりょうり)といわれる中国風の 精進料理 が作られます。山芋を揚げて作る カマボコもどき など見た目の鮮やかさも大切にしているのが特徴。
普茶料理の盛りつけに使われるのが青磁。食器棚には大小20種類の青磁の皿がずらり並んでいて圧巻。

4人分を青磁の大皿に盛りつけ。色とりどりの工夫を凝らした料理を青磁が引き立てます。美しい盛り合わせ。
執事の 吉野心源 さんは
「気がふさぐ時にスカッとした雲一つない青空を見ますと心が自然と晴れますように、青磁という色が人の心をすっきりさせるのではないか。青磁の器がやはりそういった精神性も含んでいるように思う」とおっしゃっていました。

名前黄檗宗大本山 萬福寺(おうばくさんだいほんざんまんぷくじ)
住所京都府宇治市五ケ庄三番割35
WEBhttps://www.obakusan.or.jp/
営業時間9:00〜16:30
定休日なし

蜂谷宗玄さん + 蜂谷宗苾さん / 香道 志野流

名古屋市にある 香道 志野流(しのりゅう)の家元 蜂谷宗玄 (はちやそうげん)さんと若宗匠 蜂谷宗苾(はちやそうひつ)さん。

代々伝わる青磁の名宝。幾重にも包まれていたのは中国南宋時代に作られたという青磁の 香炉(こうろ)銘「あおやぎ」。
初めは 足利義政(あしかがよしまさ)が所持していたと言われ、後に 織田信長(おだのぶなが)、豊臣秀吉(とよとみひでよし)と伝わった名将たちに愛された青磁の香炉。現在は家宝として守り継がれています。

今でも貴重な香木を聞く時には青磁の香炉が欠かせません。この日は室町時代から伝わる香木を聞きます。
香炉の中に炭を置きその上に灰をかぶせます。灰を整えていくうちに精神を統一させ心を落ち着かせるといいます。

聞くのは足利義満から銘を受けた600年以上前の香木。滑らかな肌合いを持つ青磁の香炉は香りに集中できるのだとか。
なめらかで手触りがよく温かみがほのかに感じられる青磁の香炉。蜂谷宗玄さんは香木の香りが他の香炉を聞くよりも深遠に感じられると語っていました。
目で見て味わい手に包んで一体となる青磁ならではの魅力です。

名前志野流香道 松隠会
住所愛知県名古屋市西区上名古屋2-10-17
WEBhttp://www.shinoryushoinkai.net/

エピローグ

青磁の器にビールを注ぎながら「おじいちゃん青磁の食器で酒盛りをするの好きだったな」と思い出す草刈さん。
おじいちゃんも「正雄、ありがとうな」と喜んでいるようです。

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音楽 BGM

ジャズの名曲が流れる美の壺。番組BGMファンもいらっしゃるのではないでしょうか。
オープニング曲と番組内挿入曲をまとめましたので参考にどうぞ。リンク先で試聴できます。

オープニングテーマ

オープニングテーマArt Blakey And The Messengers(アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ)の名曲「Moanin’」。ジャズドラマー アート・ブレイキーが1958年に発表した同名のアルバムに収録されています。作曲はピアニストの Bobby Timmons(ボビー・ティモンズ)。

番組内 楽曲

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