NHK「美の壺(びのつぼ)」は普段使いの器から家具、着物、料理、建築に至るまで、衣食住、人の暮らしを彩ってきた美のアイテムを解説してくれる番組。紹介されたものは何?場所はどこ?出演は誰?どこで買える?と興味津々。
そんな気になる「美の壺・美術の鑑賞マニュアル」を詳しく調べてみました。最後に番組内の音楽もまとめてあります。
美の壺「掌(たなごころ)で味わう 茶碗(ちゃわん)」File 578
出演は俳優の 草刈正雄(くさかり まさお)さん、ナレーション(語り)は俳優の 木村多江(きむら たえ)さんです。
最新エピソード 美の壺 File 610「石仏」 もどうぞ併せてご覧下さい。
BSプレミアム(2023年11月30日まで。2023年12月1日から NHK BS(BS101チャンネル) へ移動)
初回放送:2023年4月12日(水)19:30~20:00
再放送 :2023年4月19日(水)08:00~、2023年4月22日(土)06:45〜
NHK BS(BS101チャンネル)
再放送 :2024年4月2日(火)17:30〜
BS4K(2023年12月1日から BSプレミアム4K へ名称変更)
初回放送:2023年4月12日(水)19:30~20:00
再放送 :2023年4月17日(月)14:00~、2023年4月19日(水)08:00~
2023年4月22日(土)06:45〜
BSプレミアム4K
再放送 :2024年3月27日(水)19:30〜、2024年4月1日(月)13:00〜
2024年4月3日(水)08:00〜、2024年4月6日(土)06:45〜
総合
再放送 :2023年12月20日(水)15:10〜
でNHKの動画配信サービス NHKオンデマンド を視聴可能。 U-NEXTらんまん・
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美の壺 掌(たなごころ)で味わう 茶碗(ちゃわん)File 578 内容
▽京都のスタイリッシュなティースタンド。自分好みの茶碗(ちゃわん)で豊かな時間
▽瀬戸黒、斗々屋、古薩摩焼…古美術好きの茶人による茶会に潜入!
▽「高台」の鑑賞ポイント
▽静嘉堂文庫美術館と藤田美術館それぞれの国宝「曜変天目茶碗」が登場!
▽曜変天目茶碗の謎に陶芸家父子で挑む
▽銀行家で陶芸家の川喜田半泥子。鋭い審美眼を持つ半泥子の土とは?
▽萩焼13代三輪休雪さんの、土とのセッション!
プロローグ
趣味で陶芸を始めた友人から素敵な茶碗が贈られてきた草刈さん。
早速お茶をいただきましょう。
自宅で簡単に抹茶が点てられるセット。
美の壺 一、めでる:一碗との出会い
ひとつめのツボは めでる:一碗との出会い。
須藤惟行さん / 日本茶専門店 YUGEN(ユウゲン)オーナー / スタイリッシュなティースタンド【京都市 中京区】
京都市中京区 YUGEN(ユウゲン)は長いカウンターの続くスタイリッシュな日本茶専門店。好きな茶碗でお茶を飲めるティースタンドです。
2018年に「日本の伝統を身近に」をコンセプトにオープンし、2022年1月に移転してリニューアルオープンしました。品質の高い日本茶のみを扱いシングルオリジンで提供しています。
茶碗 はオーナーの 須藤惟行(すどう ただゆき)さんが窯元を訪ねたり古美術店で見つけたこだわりのものばかり。
見せてくれたのは福岡県の 高取焼(たかとりやき)味楽窯(みらくがま)の十六代目 亀井久彰(かめい ひさあき)さん作の茶碗。
須藤さんと同世代の作家 亀井久彰さんが作られた作品で、自分の色を研究して見つけた深い海のような色は「久彰ブルー」と呼ばれます。須藤さんお気に入りの一碗。
紀州の 名草焼(なぐさやき)の茶碗は戦前の作家さんのもの。優しい質感でお気に入り。長い間愛されてきたのではないかなと思っているそうです。
茶碗の個性によってお茶の味は変わる、と言う須藤さん。
茶碗はお茶の時間の思い出のひとこまを彩る大切なものだと語っていました。
名前 | YUGEN(ユウゲン) |
住所 | 京都府京都市中京区亀屋町146 |
電話 | 075-708-7770 |
WEB | https://www.yugen-kyoto.com/ |
営業時間 | 11:00〜18:00 |
定休日 | なし |
木村宗慎さん / 裏千家 芳心会 茶道家 / お気に入りの茶碗でいただく茶会
裏千家 茶道家で芳心会(ほうしんかい)を主宰する 木村宗慎(きむら そうしん)さん。
木村さんは1976年愛媛県生れ。小さい頃からの古美術好き。中学生になると裏千家茶道を学び初め、神戸大学入学と同時に京都の師匠に師事しました。1997年、21歳で芳心会を設立。
現在は京都と東京で稽古場を主宰しつつ、雑誌の記事やテレビ番組や展覧会等の監修を手がけています。
木村さん主催の 茶会 を見せていただきました。
お客様がそれぞれお気に入りの 茶碗 を選んでお茶をいただくという趣向です。
お茶碗はいくつも箱に入っていて、箱を見ると茶碗が辿ってきた物語や持っていた人の思いまで感じ取ることができます。すべて箱の中に閉じ込めてアーカイブされているのだといいます。
瀬戸黒茶碗(せとぐろぢゃわん)銘「芋桶」
表千家六代家元の箱書きのある瀬戸黒茶碗(せとぐろぢゃわん)。
斗々屋茶碗(ととやぢゃわん)銘「笹浪」
こちらは朝鮮半島で開かれた高麗茶碗(こうらいぢゃわん)斗々屋(ととや)。
千利休の時代から茶人に愛されてきました。
玉子手茶碗(たまごでぢゃわん)銘「雪山」
玉子のようなつるりとした肌のこちらも高麗茶碗
手にすっぽり収まる、優しい形です。
古薩摩(こさつま)半筒茶碗(はんつつぢゃわん)
江戸時代の初めに薩摩で焼かれた古薩摩焼(こさつまやき)。
釉薬の景色も優美な茶碗です。
お客様が集まり銘々が好きな茶碗を手に取ります。まるでお見合いのようです。一目惚れしたお茶碗でお茶をいただけるのはいいですね。
茶碗の欠かせない鑑賞ポイント 高台(こうだい)。高台とはうつわの底につけられた台のことで、割高台、二重高台、しいたけ高台など様々な形があります。
持ちやすく扱いやすくするためだけの高台ならば、こんなにいろいろな削り方はしてないはず。
高台にはある種の彫刻作品として、1つの造形物としての醍醐味というか魅力が閉じ込められていると木村さんが教えてくれました。
絵唐津(えからつ)松の絵沓茶碗(まつのえくつぢゃわん)。
およそ400年前の 唐津焼(からつやき)。松林が描かれています。
選んだお客さまは「飲んで目を閉じると浜辺の音が聞こえてくるみたい」と楽しまれたご様子。
茶碗は、飲んで使って鑑賞して五感で味わう。その五感の広がりに応じていろいろな茶碗が作られてきたのではないかと木村さんは語っていました。
名前 | 芳心会(ほうしんかい) |
住所 | 京都市北区紫野上御所田町11-1 |
電話 | 075-493-1923 |
WEB | http://hoshinkai.jp/ |
木村宗慎さんの著書。
美の壺 二、曜変天目:古(いにしえ)のロマンを求めて
ふたつめのツボは 曜変天目:古(いにしえ)のロマンを求めて。
静嘉堂文庫美術館 / 曜変天目【東京都 丸の内】
2022年秋、東京丸の内 の 明治生命館(めいじせいめいかん)に移転した 静嘉堂文庫美術館(せいかどうぶんこ びじゅつかん)。
静嘉堂文庫美術館が所蔵する国宝 曜変天目(ようてんへんもく)。
曜変天目とは、漆黒の茶碗に 班紋(はんもん)が浮かび、その周囲をオーロラのような 光彩(こうさい)がきらめく茶碗のことです。
中国南宋の時代、福建省の 建窯(けんよう)という窯で焼かれました。
曜変天目は 美の壺 スペシャル「国宝」でも紹介されました。
完全な形で存在する曜変天目は 静嘉堂文庫美術館 蔵・藤田美術館 蔵・大徳寺塔頭龍光院 蔵 の僅か3碗。そのどれもが国宝に指定されています。
作られたのは中国ですが、現在中国には残っていないのだとか。
名前 | 静嘉堂文庫美術館(せいかどうぶんこ びじゅつかん) |
住所 | 東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館1F |
電話 | 050-5541-8600 |
WEB | https://www.seikado.or.jp/ |
営業時間 | 火〜日:10:00〜17:00 |
定休日 | 月曜、年末年始 |
藤田清さん / 藤田美術館 館長 / 曜変天目の科学分析【大阪市 都島区】
大阪・都島区 の 藤田美術館(ふじたびじゅつかん)にも3碗の 曜変天目 のうちの一つが所蔵されています。徳川家康が所有し、後に水戸徳川家へ。さらに大正7年(1918年)に財閥藤田家の所蔵となりました。
館長の 藤田清(ふじた きよし)さんは初代 藤田傳三郎から数えて5代目。藤田清さんは1978年兵庫県生まれ。大学卒業後、2002年に藤田美術館へ。2013年に館長に就任しました。
藤田美術館は昭和29年(1954年)に藤田傳三郎邸跡地に開館。藤田傳三郎・藤田平太郎・藤田徳次郎のコレクションを展示。国宝9件、重要文化財53件を含む名品を所蔵しています。
2022年4月1日にリニューアルオープンしました。
曜変天目は光が当たると黒い中に青い模様が浮かび上がり、神秘的で人が触れてはいけない。厳かな感じと謎めいた感じがある、不思議なお茶碗だと藤田さん。
曜変天目は一体どのように作られたのか、その製法は今も謎に包まれています。
7年前の2016年、曜変天目に世界で初めて科学の目が向けられました。
調査したのは、中国陶磁史の研究家や科学分析の専門家たち。曜変の輝きはどのように生まれたのか様々な機器を使って測定しました。
近代の焼物では、輝きを生み出すために重金属が使われます。
曜変天目にもそのような成分が含まれているのか調べましたが、分析の結果、茶碗からは重金属が検出されませんでした。
長い歳月を隔て、今な、明かされない曜変天目の謎。
科学分析をしても解明されない奥の深さ、作品の持つ重みを藤田さんも改めて感じたといいます。
名前 | 藤田美術館(ふじたびじゅつかん) |
住所 | 大阪府大阪市都島区網島町10-32 |
電話 | 06-6351-0582 |
WEB | https://fujita-museum.or.jp/ |
営業時間 | 10:00〜18:00 |
定休日 | 年末年始 |
長江惣吉さん / 陶芸家 / 曜変天目の再現【愛知県 瀬戸市】
焼物の産地、愛知県瀬戸市 の 陶芸家、素山窯 九代 長江惣吉(ながえ そうきち)さんは 曜変天目の再現 に挑んできました。
長江さんは1963年愛知県瀬戸市生まれ。1983年に瀬戸窯業高等学校陶芸専攻科卒業後、大阪芸術大学入学。1985年に家業の素山窯に入り、1995年に父である八代 長江惣吉の死去に伴い曜変再現研究を継承しました。
曜変天目の再現の研究も続けながら、研究で得た知見を元に「曜々盞(ようようさん)」と名付けた自らの作品を制作しています。
長江さんは藤田美術館の藤田清さんと親交があり、2016年藤田美術館の科学分析にも参加しています。
NHK ETV特集「曜変 〜陶工・魔性の輝きに挑む〜」、TBS「クレイジージャーニー」でも取材されていました。
父である八代 長江惣吉さんは家業の窯元そっちのけで50年も曜変の研究に没頭。そんな父に反発し「曜変の研究なんか絶対やるものか」と思ていたという長江さん。
しかし1995年に父が突然病に倒れ亡くなると、父が命をかけた曜変天目とは一体何だったのか興味が湧いてきます。ですが曜変天目の記録はほとんど残されていませんでした。
長江さんは1996年に曜変天目の故郷 中国福建省 建窯(けんよう)を訪れました。
そこで目にしたのは打ち捨てられて陶片の山。陶工たちが無心に挑み続けてた歴史の痕跡。
長江さんは突き動かされ、曜変天目の世界に身を投じる決意をします。
曜変天目茶碗は鋭角に 轆轤(ろくろ)をひくのが特徴です。
この角度だからこそきれいに輝く、という長江さん。
中国宋代の抹茶は白かったと言われていて、黒い茶碗に白い抹茶が入ると、きれいな光彩が白に反射して美しく光るのです。
長江さんは来る日も来る日も曜変天目再現研究に努めますが、うまくいきません。
ヒントを探ろうと繰り返し中国福建省 建窯を訪れ、窯跡で 蛍石(ほたるいし)という鉱物を砕いたものを発見したのです。
蛍石は焼物の原料には絶対に使いません。これを使って光彩を出したのではないかと推測し、研究を重ねます。
長江さんは蛍石を粉砕し光彩を生み出すものを作り出します。
釉薬をかけた茶碗を1,350℃の高温で6時間焼き、窯の温度を900度に下げて蛍石を投入。
蛍石が窯の中で酸性ガスを発生させて釉薬に作用し光彩を与えるといいます。
2日後にいよいよ窯出し。仕上がりは必ず太陽の光のもとで確認します。
光彩のクリアさがちょっと足りないという長江さん。
この小さな茶碗の中の小宇宙にどうしても突き動かされてしまう。また再チャレンジすると語ります。
人の心を捉えて離さない。曜変天目の輝きです。
美の壺 三、破格:心のままに土に向かう
最後のツボは 破格:心のままに土に向かう。
川喜田半泥子 / 実業家・陶芸家【三重県 津市】
自由な作風で陶芸界を驚かせた人物、実業家・陶芸家の 川喜田半泥子(かわきた はんでいし)。
本名は川喜田久太夫(かわきたきゅうだゆう)、幼名 善太郎。明治11年(1878年)に三重県津市の豪商の家に生ま裕福な家庭で育ち、三重県尋常中学卒業後に明治33年(1900年)東京専門学校(現・早稲田大学)に入学。
明治36年(1903年)に百五銀行の取締役、大正8年(1919年)から昭和20年(1945年)まで頭取を務めました。頭取以外にも三重県財界の重鎮として、いくつもの会社の要職を務め、明治42年(1909年)からは津市会議員、明治43年(1910年)からは三重県会議員を務めました。
晩年まで画や書を描いて過ごし、昭和38年(1963年)に84歳で没。
号「半泥子(はんでいし)」は禅の師の命名で、「半(なか)ば泥(なず)みて半ば泥まず」という意味。
裕福な伊勢商人の川喜田家では9代目当主から商売のかたわら芸術・文化活動に励む家柄。
16代当主である半泥子は幼少から芸術に親しみ、書画、茶の湯、俳句、写真など多彩な趣味を持っていました。50歳を過ぎて本格的に自ら作陶するようになります。
昭和8年(1933年)には千歳山の自宅に窯を開き、銀行の頭取を務めながらひたすら茶碗をつくりました。
半泥子が設立した 財団法人 石水会館を母体として、半泥子の死後につくられた 石水博物館(せきすいはくぶつかん)に多くの作品が収蔵されています。
川喜田半泥子「泥佛堂秘録」は半泥子の残した陶芸論。
全国各地の窯をめぐり土や釉薬を調査し、あくなき探究心で陶芸の世界を極めようとしました。
番組では半泥子の作品をいくつか紹介。
粉引茶碗(こひきちゃわん)銘「雪の曙」(石水博物館 所蔵)
真っ白い釉薬が薄紅色に染まってくっきりと残る指の跡。
口縁(こうえん)は揺らぎ、裂けてしまったところもあります。
高麗手茶碗(こうらいてちゃわん)銘「雅茶子」(石水博物館 所蔵)
一方、こちらは高麗茶碗の大きな高台に憧れて作ったもの。当時上野にやってきた像の名前をつけました。
片身替茶碗(かたみがわりちゃわん)銘「寝物語」(石水博物館 所蔵)
常識にとらわれない半泥子の作品。
千歳山の土で作った茶碗と美濃の土の茶碗を真っ二つに割り、それを継いで焼きました。
半泥子が焼物の中で特に好んだのが茶碗でした。
川喜田半泥子「随筆 泥仏堂日録」には茶碗への思いが綴られています。
「茶碗は僅か三四寸の大サであるが、中々侮りがたいシロモノだと思う。
鉢、皿、瓶の類は大き許でイクジがない。
山椒は小粒でもヒリリという奴か。」
名前 | 石水博物館(せきすいはくぶつかん) |
住所 | 三重県津市垂水3032-18 |
電話 | 059-227-5677 |
WEB | https://sekisui-museum.or.jp/ |
営業時間 | 火〜日:10:00〜17:00 |
定休日 | 月曜、年末年始 |
藤村州二さん / 仙鶴窯 陶芸家・川喜田半泥子の孫弟子【三重県 津市】
川喜田半泥子 が昭和8年(1933年)に55歳で 千歳山(ちとせやま)の自宅に開いた登り窯を、昭和21年(1946年)に場所を移し津市郊外に 廣永窯 を開きます。半泥子は愛弟子 故 坪島圡平 ら若い陶工たちと共に作陶に励みました。
廣永窯は 仙鶴窯(せんかくがま)と名前を変え、半泥子の孫弟子たちによって作陶が続けられています。
陶芸家の 藤村州二(ふじむら しゅうじ)さんは半泥子の孫弟子にあたります。
半泥子が好んで使ったという土を見せてくれました。それは以外にも自宅のあった千歳山の土でした。
ざっくりしたような荒々しさを持つ千歳山の土は多分理想の土に近いのではないかと藤村さん。
逆に言うことを聞かない土の方が面白いものができるという発想なのかもしれません、と語っていました。
名前 | 仙鶴窯(せんかくがま)旧・廣永窯 |
住所 | 三重県津市分部1770-1 |
電話 | 059-237-1723 |
WEB | https://www.handeishi-senkakugama.com/ |
営業時間 | 月〜土:8:00〜17:00 |
定休日 | 日曜 |
三輪休雪さん / 不走庵 三輪窯 陶芸家【山口県 萩市】
山口県萩市 で江戸時代から毛利家の御用窯として栄えた萩焼の名門 三輪家(みわけ)。
不走庵 三輪窯(ふそうあん みわがま)の現当主 十三代 三輪休雪(みわ きゅうせつ)さん。
三輪さんは1951年に山口県萩市で十一代三輪休雪の三男として生まれました。1975年米国サンフランシスコ・アート・インスティテュートに留学。1981年に帰国後に不走庵 三輪窯で作陶に入しました。
2019年5月に十二代の兄から十三代 三輪休雪を受け継ぎました。NHK「日曜美術館」などメディアで紹介されること多数。
十代 三輪休雪「萩白釉茶盌」(山口県立萩美術館・浦上記念館 蔵)
昭和の時代に活躍した十代 三輪休雪(みわ きゅうせつ)の作品です。
それまでの萩焼にはなかった雪のように白い釉薬・休雪白(きゅうせつじろ)生み出しました。
十一代 三輪休雪「鬼萩窯変割高台茶碗(おにはぎようへんわりこうだいちゃわん)」
続く十一代の作品その名も鬼萩(おにはぎ)。
荒い砂を極限まで混ぜ込んだ独特の土に白い釉薬をかけ焼きました。
現在の当主 十三代 三輪休雪(みわ きゅうせつ)さん。
仕覆(しふく)から現れるのは、伝統の土と釉薬を使った革新的な茶碗「エル キャピタン」。
若い頃出会ったアメリカの壮大な岩肌がモチーフです。
「茶碗は茶をいただく道具であり、同時にひとつのアート作品である」と休雪さん。
ろくろを使わず、土をなたで割ったまきで叩き、サビさせた日本刀でそぎ落とします。
独創的な表現で注目を集めてきた三輪さん。最初の頃は「恒久破壊Ⅰ」のような大きな作品を手がけてきました。
近年打ち込んでいるのは 茶碗。掌(たなごころ)の小さな世界ですがかつて手がけていた巨大な作品と同じ質量、パワーを持っています。
形はダイナミックでありながら、繊細を極める部分。それは茶碗の飲み口 口造り(くちづくり)です。一服の茶を喫するという事は、そこに茶碗と体の1部の接触がある。お茶がさっと口に収まるという最小限の必然性が要求される部分です。
お茶碗はそれを手にした方見た方が「明日から頑張ろう」という生きる力、そういうものがみなぎっているものでないといけないと語っていました。
名前 | 不走庵 三輪窯(ふそうあん みわがま) |
住所 | 山口県萩市椿東2721 |
電話 | 0838-22-0448 |
WEB | https://fusoanmiwagama.com/ |
営業時間 | 金〜日:10:00〜16:30 |
定休日 | 月曜〜木曜 |
エピローグ
お茶を点てようと抹茶と茶筅を買ってきましたが、茶杓がありません。
蔵の中からおばあちゃんのお茶道具が一式出てきてなんとかお抹茶を点てることができました。
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音楽 BGM
ジャズの名曲が流れる美の壺。番組BGMファンもいらっしゃるのではないでしょうか。
オープニング曲と番組内挿入曲をまとめましたので参考にどうぞ。リンク先で試聴できます。
オープニングテーマ
オープニングテーマ は Art Blakey And The Messengers(アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ)の名曲「Moanin’」。ジャズドラマー アート・ブレイキーが1958年に発表した同名のアルバムに収録されています。作曲はピアニストの Bobby Timmons(ボビー・ティモンズ)。
番組内 楽曲
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