NHK「美の壺(びのつぼ)」は普段使いの器から家具、着物、料理、建築に至るまで、衣食住、人の暮らしを彩ってきた美のアイテムを解説してくれる番組。紹介されたものは何?場所はどこ?出演は誰?どこで買える?と興味津々。
そんな気になる「美の壺・美術の鑑賞マニュアル」を詳しく調べてみました。最後に番組内の音楽もまとめてあります。
美の壺「民藝(みんげい)のやきもの」File 540
出演は俳優の 草刈正雄(くさかり まさお)さん、ナレーション(語り)は女優の 木村多江(きむら たえ)さんです。
最新エピソード 美の壺 File 624「雪」 もどうぞ併せてご覧下さい。
BSプレミアム(2023年11月30日まで。2023年12月1日から NHK BS(BS101チャンネル) へ移動)
初回放送:2021年6月4日(金)19:30~20:00
再放送 :2021年6月12日(土)06:45〜、2021年6月18日(金)12:30~
2022年10月21日(金)19:30~、2022年10月29日(土)06:45〜
2022年11月4日(金)12:30~、2023年11月4日(土)00:30〜
BS4K(2023年12月1日から BSプレミアム4K へ名称変更)
初回放送:2021年6月4日(金)19:30~20:00
再放送 :2021年6月12日(土)06:45〜、2021年6月18日(金)12:30~
2022年10月21日(金)19:30~、2022年10月29日(土)06:45〜
2022年11月3日(木)23:00〜、2023年11月4日(土)00:30〜
Eテレ
再放送 :2022年1月16日(日)23:00〜、2022年1月20日(木)11:00~
2023年6月4日(日)23:00〜、2023年6月7日(水)05:30〜
2024年3月31日(日)23:00〜
U-NEXT でNHKの動画配信サービス NHKオンデマンド を視聴可能。虎に翼・らんまん・なつぞら などの朝ドラや 光る君へ・鎌倉殿の13人・真田丸 などの大河ドラマ、探偵ロマンス・正直不動産 などの名作ドラマ、ファミリーヒストリー「草刈正雄」を一気見できます。U-NEXTは初回31日間無料トライアル。NHKオンデマンド は別料金ですが、もらえる600ポイントで購入できます。PR
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美の壺 民藝(みんげい)のやきもの File 540 内容
▽人気料理家ワタナベマキさんが「洋にも和にも合う!」と愛用する民藝の器とは?!
▽江戸時代から一子相伝で作られる「小鹿田焼(おんたやき)」の技
▽ポップな模様の「スリップウェア」。フリーハンドで描く一期一会のデザインとは?
▽陶芸家バーナード・リーチ直伝の、コーヒーカップの取っ手付け
▽東京のセレクトショップでヒットしたブルーの器。陶芸家・河井寛次郎に薫陶を受けた釉薬のこだわりとは?!
プロローグ
オンライン同窓会のために部屋のセッティングをしている草刈さん。
テーブルの上も「映える」ようにしなくては…
美の壺 一、小鹿田焼(おんたやき)暮らしを彩る素朴な風合い
ひとつめのツボは 小鹿田焼(おんたやき):暮らしを彩る素朴な風合い。
ワタナベマキさん / 料理家 / 民藝の器と料理
料理家の ワタナベマキ さんは民藝の器で食卓を演出。
ワタナベさんは1976年神奈川県生まれ。グラフィックデザイナーとして働きながら並行して料理にも情熱を注ぎ、2005年に「サルビア給食室」を立ち上げ料理家として独立。
美味しく丁寧な日々の食事のレシピはファン多数。雑誌掲載や著書も多く、NHK「きょうの料理」、日本テレビ「キユーピー3分クッキング」にも出演されています。
美の壺 File 619「甕」の回にも出演されました。
前職はグラフィックデザイナーとあって、テーブルのスタイリングのセンスも抜群のワタナベさん。
さまざまな食器をお持ちですが棚の中には民藝の器がたくさん。ふだん使い民藝の食器を見せてくださいました。
手の温もりを感じられるし、洋でも和でも料理に合わせやすいところがお気に入りなのだとか。
作ってくれたのは「鶏とアスパラガスのガーリックソテー」。
鶏もも肉をニンニクで香り付けして鉄のフライパンでソテー。そこに半分に切ったアスパラガスを乗せ、蓋をして火が通るまで蒸し焼きに。
合わせるのはワタナベさんイチ押しの 小鹿田焼(おんたやき)の大皿。この皿と出会った時自分の料理にとても合うと直感したそうです。
素朴な風合いのお皿が鶏肉とアスパラガスの緑を引き立てています。
この大皿は合わせる料理を選びません。「チーズケーキといちじく」も見事にマッチ。
小鹿田焼のすり鉢 で「アンチョビとパクチーのサラダ」を作ります。
アンチョビとニンニクをすりおろし、オリーブオイルとワインビネガーをかけてパクチーをどっさり。食べる直前にあえていただきます。
すり鉢は調理の道具ですが洒落た丼のような見た目なのでそのままテーブルへ。
道具としても使い勝手がよく器にもなるすぐれものです。
家庭料理を盛るとかっこよくなるし、繊細でかっこいい料理は家庭料理らしくなる、器が受け止めてくれる、と民藝の器の魅力を語ってくれました。
名前 | ワタナベマキ |
WEB | https://maki-watanabe.com |
ワタナベマキさんの著書
柳宗悦 / 思想家 / 民藝運動の創始者
民藝運動(みんげいうんどう)の創始者 柳宗悦(やなぎ むねよし、やなぎ そうえつ)。「民藝運動の父」とも呼ばれます。
柳宗悦は明治22年(1889年)東京都生まれ。学習院初等科・中等科・高等科を卒業後、1913年に東京帝国大学文科大学哲学科心理学専修を卒業。学習院在学中の1909年に準備中の同人文芸誌「白樺」の仲間・武者小路実篤、志賀直哉らと バーナード・リーチ を訪ね、リーチとの親交が始まりました。
執筆活動を続けながら東洋大学教授、大正12年(1923年)の関東大震災後は京都に移住し同志社大学講師、関西学院講師などを務めました。
「民藝」という言葉が最初に使われたのは大正14年(1925年)。翌年に陶芸家の富本憲吉、濱田庄司、河井寛次郎の四人の連名で「日本民藝美術館設立趣意書」を発表します。
「民藝」とは「民衆的工芸」の略語。名も無き職人の手から生み出された日常の生活道具を「民藝(民衆的工芸)」と名付け、生活の中にある美は美術品に負けない美しさがあると唱えました。
昭和6年(1931年)に民藝運動の機関誌「工藝」を創刊。昭和11年(1936年)には東京駒場に 日本民藝館(にほんみんげいかん)を開設。柳宗悦が初代館長となりました。日本民藝館は 美の壺 File 500「美術館」でも紹介されました。
柳宗悦の活発な運動により日本各地の手仕事の文化を大切にする同志や後進が増えていきました。
柳の厳しい審美眼によって収集された日本民藝館のコレクションは現在も同館で展示されています。
名前 | 日本民藝館(にほんみんげいかん) |
住所 | 東京都目黒区駒場4-3-33 |
電話 | 03-3467-4527 |
WEB | https://www.mingeikan.or.jp/ |
営業時間 | 火〜日:10:00〜17:00 |
定休日 | 月曜 |
入館料 | 一般 1,200円 |
坂本浩二さん / 坂本浩二窯 / 小鹿田焼(おんたやき)【大分県 日田市】
大分県日田市 の山あいで作られている 小鹿田焼(おんたやき)。
昭和の初めに 柳宗悦(やなぎむねよし)が見いだしたことで全国に知られるようになりました。
現在残る窯元は9軒。江戸時代から一子相伝で受け継がれ器を作り続けています。
地元でとれた石を川の水の力を利用して砕き 陶土(とうど)を作ります。
唐臼(からうす)と呼ばれる昔ながらの木製装置を水力で動かし、2週間から3週間つき続けます。
唐臼で砕いたあとは水にさらして濾し、沈殿した土を集めて水を抜くと材料となる土ができます。
土作りには1か月余りかかります。
よその土を混ぜれば手間は省けますが、地元の土だけを使うのが300年続いてきた伝統です。
仕事を見せてくれたのは 坂本浩二窯(さかもとこうじがま)の陶工 坂本浩二(さかもと こうじ)さん。浩二さんは父親の一雄さんから小鹿田焼の技を受け継ぎ、息子の拓磨さんと共に親子で ろくろに向かいます。
大皿を作るところを見せてくれました。
若い時は力だけで作ろうとしていたけれども、土に任してろくろのスピードに体を合わせれば不思議と器ができる。長い間、土と向き合ううちに余計な力を抜いて作ることを会得されたようです。
白い化粧土を全体にかけ、道具で模様を入れます。
刷毛目(はけめ)と呼ばれる 刷毛(はけ)で入れる模様。
大きな刷毛をリズミカルに打っていくと放射状の模様ができあがります。
刷毛が当たった場所は化粧土が剥がれ下地の土が出てきました。
土には鉄分が多く焼くと刷毛を当てた部分が黒くなります。土の特性を生かした模様です。
もう一つ小鹿田焼の代表的な技法が 飛び鉋(とびかんな)。
薄い鋼を曲げた自作の 鉋(かんな)を使います。職人の知恵と工夫が刻まれた模様。
厚みがあってどっしり。素朴な風合いが魅力の小鹿田焼です。
昭和の初め柳宗悦がその素晴らしさを世に広めたことも支えとなり、小鹿田焼は工業製品が主流になっていく時代を現代まで生き延びてきました。
伝統の力を伝えてくれるやきものです。
名前 | 坂本浩二窯(さかもとこうじがま) |
住所 | 大分県日田市鶴河内174 |
電話 | 0973-29-2467 |
小鹿田焼(おんたやき)坂本浩二窯の器。
美の壺 二、スリップウェア:使いやすくて美しい
ふたつめのツボは スリップウェア:使いやすくて美しい。
バーナード・リーチ / イギリス人 陶芸家・画家・デザイナー / 日本の民藝運動への影響
バーナード・リーチ(Bernard Howell Leach)はイギリス人の 陶芸家・画家・デザイナー。日本の 民藝運動 の創始者 柳宗悦 と親交があり影響を与えた人物としても知られています。
東洋と西洋の架け橋となったリーチの生涯は原田マハさんのアート小説「リーチ先生」の題材にもなっています。
リーチは1887年イギリス人両親のもとに当時イギリス植民地であった香港で生まれました。母は出産で死去したため日本で英語教師をしていた母方の祖父の元で4年間を過ごし、父の再婚を機に香港、そしてシンガポール。1897年にイギリスに帰国し芸術家を志しすようになります。
1903年にロンドンのスレード美術学校に入学するものの父の死去により銀行員に。芸術家の夢を諦めきれずに1907年からロンドン美術学校でエッチングの技法を学んでいた頃、ロンドン留学中の高村光太郎と親交を持ち、日本への憧れが強くしました。
1909年に再来日。柳宗悦ら白樺派の青年たちと知り合います。
版画を教える傍ら、イギリスで興っていたウィリアム・モリスらの アーツ・アンド・クラフツ運動 などを紹介し、手仕事の復権や日用品と美の問題を議論。柳宗悦と生涯に渡り親交を深めることになりました。
さらに日本の茶道に惹かれたリーチは1912年から6代 尾形乾山に陶芸を学び、1917年に柳宗悦の自宅に窯を開き、1920年に陶芸家の濱田庄司とイギリスのセント・アイヴスで日本の伝統的な登り窯を開き、1922年には Leach Pottery(リーチ・ポタリー、リーチ工房)を設立。スリップウェアや塩釉などのヨーロッパ伝統の技法をマスターし、東洋と西洋の美意識を融合した日常使いの陶磁器を制作。
1934年に再び来日し、日本民藝館 設立を目指していた柳宗悦に協力。日本中を旅して民藝の制作現場を訪ねました。
イギリスに戻り1940年に「A Potter’s Book(陶工の書)」を出版。リーチの思想はすぐには理解されませんでしたが、1950年代から1960年代の ミッドセンチュリーデザイン に大きく影響を与えます。
リーチは1979年にセント・アイブスで死去するまで世界中を旅し、制作や著述を続けました。
リーチの死後、Leach Pottery(リーチ・ポタリー、リーチ工房)は所有者が転々としましたが再建プロジェクトが立ち上がり2008年に美術館併設の工房としてオープン。リーチや関係者の作品を見ることができます。
名前 | Leach Pottery(リーチ・ポタリー、リーチ工房) |
住所 | Higher Stennack, St Ives, Cornwall, TR26 2HE UK |
WEB | https://www.leachpottery.com/ |
営業時間 | 月〜土:10:00〜17:00、日:11:00〜16:00 |
定休日 | 不定休 |
市野茂子さん / 丹窓窯 / スリップウェア【兵庫県 丹波篠山市】
ポップな模様が楽しい スリップウェア と呼ばれる焼き物は親しみやすく民藝の中でも人気が高い器。
スリップウェアの模様は絵の具を使った絵付けではなく、「スリップ」と呼ばれる化粧土で描かれています。
その起源が平安時代にまでさかのぼるといわれる丹波焼の産地 兵庫県丹波篠山市。
スリップウェアを作る窯元と紹介されていたのは 丹窓窯(たんそうがま)。
作る工程を見せてくださったのは窯の8代目 市野茂子(いちのしげこ)さん。
まず全体に化粧土をかけ、次に別の色の化粧土で模様を描いていきます。
スリップウェアは18世紀から19世紀にかけてイギリスで盛んに作られました。
しかし産業革命による大量生産の流れに押され廃れていきます。
そんなスリップウェアが日本の窯で作られているのにはイギリス人陶芸家、バーナード・リーチ が関わっています。
柳宗悦とともに民藝運動を牽引したバーナード・リーチ。リーチは日本の伝統的な窯元を訪ね歩き、丹波焼にも興味を持ちました。
丹波焼には 墨流し(すみながし)という技法があります。
使うのは釉薬ですが、器の表面にフリーハンドで模様をつける方法がスリップウェアと似ていました。リーチの工房は一度途絶えていたスリップウェアに取り組んでいました。1968年にリーチは茂子さんの夫・茂良さんをイギリスに招き、数年に渡りスリップウェアの技法を教えました。
結婚後に茂良さんを見て陶芸を覚えたという茂子さん。茂子さんもまた10ヶ月ほどリーチの工房で学んだそうです。
家族揃って海を渡った市野さん一家。茂子さんは楽しかったリーチ工房のクリスマスパーティーを今でも思い出しています。
工房の中を飾りつけてリーチと工房の方たちと家族がみんな集まり、市野さんのお子さんもリーチと踊ったりと賑やかで幸せな時間を過ごしたといいます。
帰国後、茂良さんは丹波でスリップウェアに取り組み、茂良さんの死後は茂子さんが跡を継いでいます。
下書きなしで一息に描く一期一会の模様。
自分が思うようにいかずにちょっと線がゆがんだりもしたりするけれど、焼いてみたらそれでも面白いなと思ったりするという茂子さん。
スリップウェアが好きだと語ります。
名前 | 丹窓窯(たんそうがま) |
住所 | 兵庫県丹波篠山市今田町上立杭327 |
電話 | 079-597-2057 |
WEB | https://tanbayaki.com/kamamoto_search/丹窓窯/ |
営業時間 | 金〜水:9:30〜17:00、木:10:00〜18:00 |
定休日 | 不定休 |
福間琇士さん / 湯町窯 / バーナード・リーチ直伝の民藝【島根県 松江市】
多くの窯元がある 島根県 へも柳宗悦やバーナード・リーチは足繁く通いました。
紹介されていたのは 島根県松江市 にある 布志名焼 の工房。大正11年(1922年)創業の窯元 湯町窯(ゆまちがま)3代目の 福間琇士(ふくま しゅうじ)さん。
工房に隣接した店にはスリップウェアのやきものが数多く並んでいます。
中でも人気が高いのが50年来のロングセラー エッグベーカー(Egg Baker)。
エッグベーカーの底にスリップウェアの技法で模様をつけています。この窯にエッグベーカー作りを勧めたのもバーナード・リーチでした。
昭和6年に島根を訪れた柳宗悦に出会った先代の 福間貴士 さんは民藝運動の哲学に共感し、民藝運動に参加するようになりました。
柳やリーチはたびたび湯町窯を訪れていましたが、当時は一般的には名は知られておらず、今ほど器が売れていませんでした。
新しい試みとしてリーチは先代の福間貴士さんにエッグベーカーを提案したのです。
福間さんがエッグベーカーで卵の美味しい焼き方を教えてくれました。
コンロに乗せ、中火で4~5分。黄身に火が通る前に火を止めて3分から4分蒸らすと余熱でちょうどいい具合の半熟卵のできあがり。
直接火にかけそのまま食卓に出しあつあつのまま食べられるのが便利。
エッグベーカーはこの窯の代表アイテムとなりました。
リーチはもう一つ西洋の日用品の作り方を教えました。コーヒーカップ です。
若き陶工だった福間琇士さんはリーチから直接教えを受けました。特に熱心に指導されたのが ウエットハンドル といわれるカップの取っ手付けの手法。
指がちょうど1本入る大きさの取っ手。カップの部分から生えてるように付けると力強さと美しさが出る、というリーチの指導。
福間さんは仕事の後も練習し、空が明るくなるまで作り続けたといいます。
リーチはカップの淵は口当たりよく唇が喜ぶように作れ。カップの中もスプーンで混ぜるから丸くするように。そうすると自然と美しさも力強さも出る、と用の美の理念を身を伝えました。
使いやすいものこそ美しい、と福間さん。
名前 | 湯町窯(ゆまちがま) |
住所 | 島根県松江市玉湯町湯町965-1 |
電話 | 0852-62-0726 |
営業時間 | 月〜金:8:00〜17:00、土日:9:00〜17:00 |
定休日 | 不定休 |
湯町窯(ゆまちがま)のエッグベーカーとコーヒーカップ。
美の壺 三、新:受け継ぎ広げる
最後のツボは 新:受け継ぎ広げる。
久保田直さん / MARKUS(マルクス)/ 暮らしの道具専門店【東京都 吉祥寺】
東京・吉祥寺 の暮らしの道具専門店 MARKUS(マルクス)では全国各地の手仕事の品を扱っています。
店主は 久保田直(くぼたただし)さん。久保田さんが大手インテリアショップのバイヤー時代にバーナード・リーチの器に出会い衝撃を受けたことがきっかけで民藝に興味を持ちはじめ、2013年に自らの店をオープン。
久保田さんはかつての柳やリーチのように全国の窯元を訪ね歩いています。
初めてリーチの器を見た時は「バーナード・リーチって誰?」と何も知識もなかったのに、皿を触ってみると手のひらに吸い付くような感覚で一瞬にして魅力の虜になった久保田さん。
触った時の手触りや形が手のひらにしっくりくる感覚が心を和ませる民藝の器。
お客さんとも
「何か持ってて気持ちいいですよね」とか
「安心感ありますよね」という話はよくするといいます。
お店で取り扱うのは久保田さんが全国で探し求めた手仕事の器たち。
民藝の窯元で修業し独立した職人たちが伝統を生かしたやきもの作りに取り組んでいます。
名前 | MARKUS(マルクス) |
住所 | 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-18-15 武蔵野カントリーハイツ112号 |
電話 | 0422-27-2804 |
WEB | http://marku-s.net/ |
営業時間 | 11:00〜20:00 |
定休日 | 不定休 |
多々納真さん / 出西窯(しゅっさいがま)【島根県 出雲市】
島根県出雲市 にある 出西窯(しゅっさいがま)。
深く透明感をたたえた青は窯元の名を冠して 出西ブルー(しゅっさいブルー)と称されています。
東京などのセレクトショップが扱って人気が出た出西窯。
代表は 多々納真(たたのうしん)さん。総勢24名が働く大所帯でベテランもいれば陶工を志して全国から集まってきた若者も数多くいます。
この窯が開かれたのは戦後間もない昭和22年(1947年)。
農家の5人の若者が生きていくための仕事を模索する中で陶器作りに乗り出しました。
当初は芸術的な陶芸を目指したもののすぐに壁にぶつかり、そんな時に知ったのが柳宗悦たちが掲げる民藝の理念でした。
5人の青年たちは民藝運動に関わっていた島根県出身の陶芸家 河井寛次郎(かわい かんじろう)に教えを請い、「用の美」を説く河井の言葉に感銘を受けふだん使いの器作りを決意。
青年たちは研究を重ねました。
中でも力を入れたのが 釉薬(ゆうやく)。
作っては河井に見せ指導を受けてはまた作る。師弟関係は河井の晩年まで続きました。
釉薬は木を燃やしてできる灰に長石や顔料などを混ぜて作ります。
顔料に酸化銅を使った 緑釉 は味わい深い緑色に。
原料の種類や配合を変え濃度や焼き方もさまざま試しながら理想の色を探します。
平成元年からは 青い釉薬 に本格的に取り組み始み、この青色は出西窯の代名詞となります。
目指すのは日本海のすごく晴れた海の青のブルー。
曇りになった時の青ではなくて、もっと透明なすごく気持ちいい青ができるように日々研鑽を積んでいます。
釉薬の濃度や焼き方、全ての工程で工夫を重ねて目指すブルーがつくれるように。
きのうの色より今日の色が、今日の器よりあしたの器が良いものであるように。
工房では陶工たちが今日も器を作り続けています。
名前 | 出西窯(しゅっさいがま) |
住所 | 島根県出雲市斐川町出西3368 |
WEB | https://www.shussai.jp/ |
営業時間 | 水〜月:9:30〜18:00 |
定休日 | 火曜 |
エピローグ
草刈さんは民藝の器をコーディネートして素敵にテーブルセッティング。
しかし肝心のパソコンのセッティングができずに、電話で乾杯!
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音楽 BGM
ジャズの名曲が流れる美の壺。番組BGMファンもいらっしゃるのではないでしょうか。
オープニング曲と番組内挿入曲をまとめましたので参考にどうぞ。リンク先で試聴できます。
オープニングテーマ
オープニングテーマ は Art Blakey And The Messengers(アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ)の名曲「Moanin’」。ジャズドラマー アート・ブレイキーが1958年に発表した同名のアルバムに収録されています。作曲はピアニストの Bobby Timmons(ボビー・ティモンズ)。
番組内 楽曲
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