NHK「美の壺(びのつぼ)」は普段使いの器から家具、着物、料理、建築に至るまで、衣食住、人の暮らしを彩ってきた美のアイテムを解説してくれる番組。紹介されたものは何?場所はどこ?出演は誰?どこで買える?と興味津々。
そんな気になる「美の壺・美術の鑑賞マニュアル」を詳しく調べてみました。最後に番組内の音楽もまとめてあります。
美の壺「黒の風格 羊羹(ようかん)」File 566
出演は俳優の 草刈正雄(くさかり まさお)さん、ナレーション(語り)は女優の 木村多江(きむら たえ)さん、ゲストは 親戚の叔母さん役で登場した女優の 藤田弓子(ふじた ゆみこ)さんです。
最新エピソード 美の壺 File 609「出雲」 もどうぞ併せてご覧下さい。
BSプレミアム(2023年11月30日まで。2023年12月1日から NHK BS(BS101チャンネル) へ移動)
初回放送:2022年9月16日(金)19:30~20:00
再放送 :2022年9月24日(土)06:45〜、2022年9月30日(金)12:30~
2023年5月3日(水)19:30~、2023年5月10日(水)08:00〜
2023年5月13日(土)06:45〜
BS4K(2023年12月1日から BSプレミアム4K へ名称変更)
初回放送:2022年9月16日(金)19:30~20:00
再放送 :2022年9月24日(土)06:45〜、2022年9月29日(木)23:00~
2023年5月3日(水)19:30~、2023年5月8日(月)14:00〜
2023年5月10日(水)08:00〜、2023年5月13日(土)06:45〜
Eテレ
再放送 :2023年11月19日(日)23:00〜、2023年11月22日(水)05:30〜
でNHKの動画配信サービス NHKオンデマンド を視聴可能。 U-NEXTらんまん・
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美の壺 スペシャル 和菓子 はこちらをどうぞ!
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美の壺 2024年度(2024年4月〜2025年3月)バックナンバー はこちらをどうぞ!
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美の壺 黒の風格 羊羹(ようかん)File 566 内容
▽甘い羊羹(ようかん)のルーツは中国の羊のスープ!
▽まるで万物を吸い込む宇宙!?漆黒の肌に映る金蒔絵
▽福島県の江戸時代から変わらぬ製法を守り、薪(まき)で練り上げられた名品
▽薄氷のような砂糖の衣を纏う佐賀県の小城ようかん▽“シャリ”が生む砂糖の神秘的な世界
▽海外でも絶賛!ラム酒が香る、ワインとマリアージュするようかん
▽まるで絵画!切り分けると月が満ち青い鳥が羽ばたくメルヘンの世界が広がる!
プロローグ
友人から草刈さんに届いた贈り物は木箱入りの羊羹(ようかん)。
ちょうどそこへ親戚のおばさんもやってきました。
美の壺 一、黒:ひときれに宿る光
ひとつめのツボは 黒:ひときれに宿る光。
有斐斎 弘道館(ゆうひさい こうどうかん)/ 京都の学問所 / 茶会の主菓子【京都市 上京区】
江戸中期の京都を代表する儒者 皆川淇園(みながわきえん)が文化3年(1806年)に創立した学問所 有斐斎 弘道館(ゆうひさい こうどうかん)。私立大学の先駆とされています。
淇園は開物学という独自の学問を創始。また詩文や書画にも優れた風流人で、門弟は3,000人と言われています。
本格的な茶庭と茶室を設えた築150年を超える数寄屋建築ですが、2009年に取り壊してマンション建設する計画が浮上。保存を望む声があがり、2013年に公益財団法人として存続することに。
![平成のちゃかぽん 有斐斎弘道館 茶の湯歳時記 濱崎 加奈子](https://images.amazon.com/images/P/4473041670?&linkCode=ll1&tag=kininarutips-22&linkId=55357427967f89d318f32ebb64dbaf49&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_tl.01._SCMZZZZZZZ_.jpg)
建物・庭園を保存し、伝統文化や歴史を学ぶ拠点として活動を続けています。
さまざまな文化を学ぶ講座、毎月のお茶会が開催されています。
名前 | 有斐斎 弘道館(ゆうひさい こうどうかん) |
住所 | 京都府京都市上京区上長者町通新町東入ル元土御門町524-1 |
電話 | 075-441-6662 |
WEB | https://kodo-kan.com/ |
営業時間 | 10:00〜17:00 |
定休日 | 水曜 |
太田達さん / 老松 店主 / 50gの立体造形【京都市 上京区】
有斐斎 弘道館 で茶会や講演会を行っているのは有斐斎弘道館理事で老舗の和菓子店 有職菓子御調進所 老松(ゆうそくがしごちょうしんしょ おいまつ)の4代目主人 太田達(おおた とおる)さん。
老松 は明治41年(1908年)に京都の古い花街 上七軒で創業した和菓子屋。
平安時代の宮廷祭祀官の流れを汲んだ家系で、朝廷の儀式・典礼に用いる菓子、茶道に用いる菓子を手がけてきたことから、屋号を有職菓子御調進所としています。
![](https://www.daimaru-matsuzakaya.jp/ito/img_public/prod/800137/80013712/80013712/IMG_PATH_L/pc/80013712_1.jpg)
太田さんは京都市生まれ。裕福な幼少期を過ごしましたが家業は傾き始め、中学校は公立へ。京都市立紫野高校卒、島根大学農学部卒。丸紅株式会社京都支店(現・京都丸紅株式会社)に就職し着物の卸売業に従事する一方週末には家業の老松で働きました。
丸紅を退職してからは池坊や京都女子大で和歌の講師を務めながら家業を再建しました。
茶人(茶名:太田宗達)としても活動し、京都工芸繊維大学でモーションキャプチャを用いた「茶道点前の動作解析」で博士号を取得。
NHK「きょうの料理」などのメディアにも多数出演。
太田さんはひときれの羊羹には特別な美が宿っているといいます。
他のお菓子のように手を加えてない造形の中にも光と影がある 羊羹(ようかん)。
50gの立体造形、手のひらにある宇宙だと語ります。
金蒔絵が施された漆の菓子器の中の羊羹の黒く艶やかな表面。鏡のように万物を映し込みます。
まさに一期一会の光のアートです。
名前 | 有職菓子御調進所 老松(ゆうそくがしごちょうしんしょ おいまつ)北野店 |
住所 | 京都府京都市上京区社家長屋町675-2 |
電話 | 075-463-3050 |
WEB | https://oimatu.co.jp/ |
営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 不定休 |
有職菓子御調進所 老松(おいまつ)の和菓子。
虎屋(とらや)/ 羊羹の起源と歴史【東京都 赤坂】
![](https://www.daimaru-matsuzakaya.jp/ito/img_public/prod/800171/80017101/80017101/IMG_PATH_L/pc/80017101_1.jpg)
東京・赤坂 の 虎屋(とらや)。創業は室町時代後期の京都という老舗の和菓子店です。
美の壺 スペシャル「和菓子」の回にも登場しました。
店頭には看板商品の 羊羹(ようかん)がずらりと並びます。
虎屋(とらや)の菓子資料室 虎屋文庫(とらやぶんこ)上席研究員 森田環(もりた たまき)さんが羊羹の起源と歴史を解説してくれました。
それにしても「羊羹」とは不思議な名前です。なぜ「羊(ひつじ)」が付くのか気になります。
森田さんによると、羊羹はもともと中国の料理で「羊の羹(あつもの)=羊の肉」が入ったスープの事でした。羊のスープから甘いお菓子になるとは本当に不思議ですが、長い年月をかけて今の羊羹の姿になったそうです。
羊羹(羊のスープ)を日本にもたらしたのは 鎌倉時代 から 室町時代 に中国に留学した禅僧の僧侶でした。
禅宗では肉食を禁じられていたため、羊の肉は小豆や葛粉などで作られたものに姿を変えていったそうです。
現代は代替肉のハンバーガーなどが生まれていますが、当時もお肉に見立てた植物性たんぱく質が使われていたのですね。
室町時代後期、1504年頃に描かれた武家の作法書には汁と具が別々に供される「やうかん(ようかん)」が描かれています。
この頃羊羹は僧侶だけでなく公家や武家の間にも広まっていきました。
具は一見するとお菓子の羊羹のように見えますが、まだ料理の羊羹、甘くない羊羹でした。
虎屋(とらや)に伝わるお菓子の見本帳「御菓子之書図」。江戸時代 の1冊に砂糖の入った羊羹が描かれています。
浜辺の入り江を表した 洲浜形(すはまがた)という 蒸羊羹(むしようかん)です。
![](https://www.daimaru-matsuzakaya.jp/ito/img_public/prod/800119/80011966/80011966/IMG_PATH_L/pc/80011966_1.jpg)
蒸羊羹(むしようかん)
現在の蒸羊羹はあんにつなぎとなる小麦粉を加え、さらに水で溶いた葛(くず)を入れ、小豆色の生地を型に流し込んでいきます。
せいろに入れて蒸し上げるとあっさりとした甘さでもちもちとした食感の 蒸羊羹(むしようかん)となります。
水羊羹(みずようかん)
羊羹を劇的に変えていったもの。それが 寒天(かんてん)でした。
テングサなどの海藻を原料とした寒天は保水性や凝固力に優れています。
この寒天の特徴を取り入れたのが 水羊羹(みずようかん)です。
煉羊羹(ねりようかん)
水羊羹はさらに進化します。
寒天に砂糖を加え煮溶かし、あんを入れて煮つめると 煉羊羹(ねりようかん)になります。
寒天を使うことでそれまでの和菓子にはない独特の滑らかさと弾力も生まれたのです。
さらに練り上げることで水分が飛び糖度が上がるため飛躍的に日持ちがするようになりました。
煉羊羹(ねりようかん)を作っているのは熟練の菓子職人 青木雄二(あおきゆうじ)さん。
煉り上げているうちに釜の中の状態が寒天独特の艶、粘りが出てくるのだとか。
羊羹にしゃもじを入れて垂れ落ちるスピード、重さで煉りあがりのタイミングを見極める職人技。
煉羊羹の美味しさ、艶やかさの決め手となる一瞬です。
日本へ渡ってきた羊羹が出る煉羊羹になるまで400年以上。
技は磨かれ、煉り上げられた羊羹となりました。
名前 | 虎屋(とらや)赤坂本店 |
住所 | 東京都港区赤坂4-9-22 |
電話 | 03-3408-2331 |
WEB | https://www.toraya-group.co.jp/ |
営業時間 | 月〜金:9:00〜18:00、土日祝:9:30〜17:00、 |
定休日 | 毎月6日(12月を除く) |
贈り物に最適、とらやの羊羹セット。
美の壺 二、時:歴史が味を深くする
ふたつめのツボは 時:歴史が味を深くする。
和田雅孝さん / 玉嶋屋 / 二本松藩御用達の羊羹【福島県 二本松市】
福島県二本松市 二本松藩御用達の 羊羹(ようかん)をつくっているのは江戸時代から8代続く和菓子店 玉嶋屋(たましまや)。
参勤交代の献上品として愛されてきた羊羹です。
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/2ba0e5fe.ea730ec0.2ba0e5ff.26214266/?me_id=1306107&item_id=10005021&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fhyakuyoko%2Fcabinet%2Fzenkokuokasi%2Fimgrc0114131636.jpg%3F_ex%3D400x400&s=400x400&t=pict)
玉嶋屋(たましまや)は江戸時代と変わらぬ製法を守り、今も薪で炊いています。
かまの火を守るのは8代目の 和田雅孝(わだ まさたか)さん。薪は火力が強く火持ちの良い楢(なら)の木を使っています
羊羹の生命線である 煉り上げ の作業。
エンマと呼ばれる大きな木べらを八の字に動かし、まきをくべてさらに火力を上げていきます。
マグマが沸騰するような、地の底から聞こえるような音が聞こえてきます。
全身全霊で作る羊羹は祖父 又吉(またきち)さんから受け継いできたものでした。
江戸時代からの伝統を守って、薪を焚くという手法でないとこの味が出ないと言っていた祖父。
8代目の和田雅孝さんも教えを守り頑固にこの味を守ってきました。
おいしい羊羹を1本1本大切に手作業で竹の皮包んで届ける。
今もその伝統は受け継がれ、見事な手さばきで包まれていきます。
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/2ba0e5fe.ea730ec0.2ba0e5ff.26214266/?me_id=1306107&item_id=10001511&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fhyakuyoko%2Fcabinet%2Fzenkokuokasi%2Fimgrc0063965666.jpg%3F_ex%3D400x400&s=400x400&t=pict)
昭和12年(1937年)、日中戦争が始まると6代目の又吉さんはこだわりの羊羹で思いがけないものを作りました。
玉羊羹(たまようかん)です。
ゴムの袋に羊羹を詰めて、戦地でも手軽に甘いものが食べられるようにと開発したのです。
いつでも懐かしい味が楽しめました。
以来80年以上 玉羊羹を作り続けています。
食べる時はようじで刺して。くるっと剥くと江戸の味が蘇ります。
お殿様が食べた羊羹は200年経ったこの令和の世の中でも相通じる美味しさがあると思うと和田さん。
名前 | 玉嶋屋(たましまや) |
住所 | 福島県二本松市本町1-88 |
電話 | 0243-23-2121 |
WEB | https://tamasimaya.com/ |
営業時間 | 7:30〜18:50 |
定休日 | 不定休 |
二本松藩御用達、薪で炊きあげた玉嶋屋の羊羹。
村岡安廣さん / 村岡総本舗 / 小城羊羹【佐賀県 小城市】
佐賀県小城市 の名物 小城羊羹(おぎようかん)は薄氷のような砂糖の衣をまとっています。
煉羊羹の糖分が時間とともに染み出し表面を結晶となって覆うのです。
砂糖の衣は シャリ と呼ばれています。
外はシャリッ、中はしっとり。小城羊羹独特の味わいです。
小城は日本有数の羊羹の街。
小城駅前にはずらりと羊羹の店が並びます。小城市内に羊羹店は20軒以上もあるのだとか。
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/2b9fb7a8.6f344622.2b9fb7a9.aaf860cc/?me_id=1204440&item_id=10085871&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fd-kintetsu%2Fcabinet%2Fdepa2%2Fdepa_img%2Fy150520100002_ho1.jpg%3F_ex%3D400x400&s=400x400&t=pict)
明治32年(1899年)創業の 村岡総本舗(むらおかそうほんぽ)。店主は 村岡安廣(むらおか やすひろ)さん。
かつて羊羹に使う砂糖を貯蔵していた建物を 羊羹資料館(ようかんしりょうかん)にして小城羊羹の歴史資料を展示しています。
紹介されていたのは古い箱。昭和20年代30年代に小城駅でホームで販売するときに活躍した箱です。
駅弁ならぬ駅羊羹を売るほど羊羹は人気でした。
![肥前の菓子―シュガーロード長崎街道を行く 村岡 安廣](https://images.amazon.com/images/P/4882981564?&linkCode=ll1&tag=kininarutips-22&linkId=8a4f10d065b78c141adc511d7cb0e244&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_tl.01._SCMZZZZZZZ_.jpg)
小城が羊羹の一大産地となった歴史は江戸時代に遡ります。
黒砂糖 が日本国内で生産されるようになったのは17世紀末。白砂糖 が日本国内で生産されるようになったのは18世紀末。それまでは長崎の出島(でじま)に着く唐船やオランダ船による輸入に頼っていました。
出島に陸揚げされた 砂糖 は長崎から小倉まで続く 長崎街道(ながさきかいどう)を経由してさまざまな場所に配られました。長崎街道は別名「シュガーロード」と言われ、沿線のあちらこちらに砂糖文化が残されています。
小城藩の城下町だった小城の町。長崎街道も小城藩の中を通っていたため当時は大変貴重だった砂糖が手に入り、砂糖を使った菓子の技術が伝えられました。
この豊かな砂糖文化を背景に生まれたのが小城羊羹でした。
溶かした寒天に ザラメ(白双糖)を普通の羊羹よりやや多めに投入します。
ザラメは光沢のある結晶で、純度が高くすっきりとした甘さが特徴です。
自家製のこしあんを入れて煉り上げます。
朱塗りの 羊羹船(ようかんぶね)に流し込みます。昔から漆の箱が使われてきました。
表面がうっすらと固まった頃、羊羹の表面を手ぼうきで掃き傷をつけます。
菓子職人の 萩原隆文(はぎわら たかふみ)さんによるときれいなシャリ感を出すためには羊羹の表面を傷つけて掃く工程が1番大事な作業なのだとか。
翌日羊羹の表面に砂糖の結晶「シャリ」がうっすらと現れ始めます。
長い羊羹包丁で切り分けると、その切り口からもじわりと糖分が染み出します。
これが小城羊羹の醍醐味。
砂糖が作る神秘的な世界。シュガーロードが産んだ名品です。
小城観光協会によると小城市内の小城羊羹の銘柄は23軒。番組で紹介されていた「村岡総本舗」のほか、「村岡屋」「天山本舗」「山田老舗」「増田羊羹本舗」「水田羊羹本舗」「水田羊羹本舗」「藤田羊羹本舗」などなど多数あります。
「村岡総本舗」と間違いやすい「村岡屋」は違う会社。「村岡総本舗」2代目社長の 村岡安吉、その弟の 村岡卯平が分家して創業したのが「村岡屋」です。
名前 | 村岡総本舗(むらおかそうほんぽ)本店 / 羊羹資料館(ようかんしりょうかん) |
住所 | 佐賀県小城市小城町861 |
電話 | 0952-72-2131 |
WEB | https://muraoka-sohonpo.co.jp/ http://www.m-youkansiryoukan.jp/(資料館) |
営業時間 | 本店:9:00〜18:00 資料館:9:00~17:00 |
定休日 | 不定休 |
村岡総本舗の小城羊羹。
美の壺 三、遊:楽しい時間を切り分ける
最後のツボは 遊:楽しい時間を切り分ける。
稲葉基大さん + 浅野理生さん / wagashi asobi / ドライフルーツの羊羹【東京都 大田区】
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/14c9c0db.7b8712dd.14c9c0dc.6c6f8605/?me_id=1213310&item_id=18036307&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fbook%2Fcabinet%2F3527%2F9784990833527.jpg%3F_ex%3D400x400&s=400x400&t=pict)
東京大田区 の 長原商店街 の一角にある小さなお店 wagashi asobi(ワガシ アソビ)。間口1間ほどの店先には商店街の名物として親しまれている ドライフルーツの羊羹 が積まれています。
ひときれ切るとラム酒の香りとともに美しい断面が現れます。ドライフルーツが抽象画のような模様を描いています。
wagashi asobi(ワガシ アソビ)は菓子職人の 稲葉基大(いなば もとひろ)さんと 浅野理生(あさの りお)さんの創作和菓子ユニット。
稲葉さんは1973年東京都大田区生まれ。都立園芸高校食品科を卒業後、虎屋 に入社し和菓子職人の道へ。1997年から6年間は虎屋のニューヨーク支店で勤務。
浅野さんは1973年北海道生まれ。鍵善良房 など有名和菓子店勤務を経て 虎屋 に入社。
稲葉さんが虎屋在職中にイベントなどで個人的に和菓子を作るうちに浅野さんも参加。
2011年に2人で創作和菓子ユニット wagashi asobi(ワガシ アソビ)として独立。
長原商店街に工房兼ショップをオープン。商品は ドライフルーツの羊羹 と ハーブのらくがん の2種類のみ。
TBS「マツコの知らない世界」の「バゲットの世界」でもフランスパンに合う羊羹として紹介されました。
ドライフルーツの羊羹 はスペインの菓子専門誌「so good.. magazine」にも掲載。羊羹にドライフルーツという斬新なアイディアが評価されたのです。
wagashi asobi は海外での評価も高く、海外での活動もされています。
ドライフルーツの羊羹 を作るきっかけは友人から「パンに合う和菓子を作って欲しい」という依頼があったこと。
羊羹をつなぎにしたテリーヌのようなものをイメージして考案。
あえてドライフルーツやナッツを丸ごと入れ、いちじく の宇宙みたいな感じ、くるみ の雲みたいに浮かぶ感じ、いちご の赤が黒い羊羹に映えた美しさを生かしました。
羊羹を流し入れる紙の容器はパウンドケーキ用のものを利用。
羊羹の切り口をイメージしながら食感の異なる くるみ や いちご、ラム酒につけたプチプチとした歯触りのいちじくを丸ごと入れ、黒砂糖を加えた濃厚な煉羊羹を注ぎます。
スライスした羊羹をフランスパンに乗せて。ワインともマリアージュする新しい羊羹の味わい方です。
羊羹を利用していろんなシーンで楽しんでもらう提案とかヒントを提供できたらいいなと思っています、と浅野さん。
名前 | wagashi asobi(ワガシ アソビ) |
住所 | 東京都大田区上池台1-16-2 |
電話 | 03-3748-3539 |
WEB | https://wagashi-asobi.com/ |
営業時間 | 月〜土:10:00〜17:00 |
定休日 | 日曜 |
wagashi asobi(ワガシ アソビ)さんの著書。
近藤俊太郎さん / アバンギャルド茶会
神奈川県箱根町 の茶室で茶会を催していたのは アバンギャルド茶会 の 近藤俊太郎(こんどう しゅんたろう)さん。
「IT茶人」「茶ラリーマン」を名乗る近藤さんは1979年広島県生まれ。中央大学卒業し、NECや三洋電機でシステム開発に携わった後、2006年にアイスタイルに入社し@cosme(アットコスメ)の新規事業開発を担当。2014年にアライドアーキテクツ株式会社でwatav(ワタビ)を開発。2017年から再びアイスタイル勤務。
一方、茶道は2005年に裏千家に入門。2009年、外務省主催の「日中友好使節団 文化チーム」参加をきっかけに、若い世代の人々が茶道に触れるきっかけを作る活動として「茶団法人アバンギャルド茶会」を立ち上げました。
京都大学の宇宙研究者とコラボレーション茶会「宇宙茶会」を開催したり、百貨店・アートギャラリーでの現代茶の湯展示のプロデュースも手がけています。
この日の前衛的な茶会、テーマは宇宙。
床の間の掛け軸にはアインシュタインの数式が書かれています。
青い地球をイメージした茶碗も。
近藤さんが用意したのは月をモチーフにした主菓子。
「面白い隕石のようなお菓子」と言っていたのは 長門屋(ながとや)の羊羹「Fly Me to The Moon 羊羹ファンタジア」。
羊羹の断面は鮮やかな色。切り進むにつれて、月は満ち青い鳥が羽ばたきます。
「お月様と青い鳥、ロマンチック」とお客も嬉しそうでした。
名前 | アバンギャルド茶会 |
WEB | https://www.ava-cha.com/ |
羊羹に抹茶は合いますね。初心者でもすぐに点てられる抹茶セット。
鈴木哲也さん + 鈴木静さん / 長門屋 / 羊羹ファンタジア【福島県 会津若松】
近藤俊太郎 さんが茶会で出していた羊羹を作ったのは 福島県会津若松 で江戸時代から続く和菓子店 長門屋(ながとや)。創業は嘉永元年(1848年)です。
鳥と月の羊羹「Fly Me to The Moon 羊羹ファンタジア」を考えたのは六代目店主の 鈴木哲也(すずき てつや)さんと妻の 鈴木静(すずき しずか)さん。
この羊羹を作るきっかけは2011年の東日本大震災。会津若松には浜通りからたくさんの人が避難してきました。
鈴木さん夫妻はみんなを笑顔に出来るようなお菓子ができないかとアイデアを練り始めました。
思いついたのは切り分けるとパラパラ漫画のように1つの物語になっていく羊羹。
何度も試作を繰り返し、最終的には幸せの青い鳥をモチーフに「Fly Me to The Moon 羊羹ファンタジア」が完成。
だるま飴 は長門屋が江戸時代から作り続けてきたロングセラーの飴。
甘いものが貴重な時代、高価な砂糖ではなくでんぷんなどを使い誰もが手にできるよう工夫しました。
赤く染めた飴に黒豆を入れ、内側に曲げれば可愛い だるまさんの形になります。
誰もが笑顔になれるお菓子、ユーモアあふれる遊び心は羊羹に受け継がれました。
この羊羹は皆さんの前で分けていただくとだんだん絵柄が変わっていくという楽しさをみんなで一緒に共感しあえる、楽しい時間がひとつになるお菓子だと語る鈴木さん。羊羹はみんなを笑顔にする不思議な力を宿しているようです。
名前 | 長門屋(ながとや)本店 |
住所 | 福島県会津若松市川原町2-10 |
電話 | 0242-27-1358 |
WEB | https://nagatoya.net/ https://store.shopping.yahoo.co.jp/nagatoya-shop/(Yahoo!長門屋公式) |
営業時間 | 月〜土:9:30〜17:00 |
定休日 | 日曜 |
長門屋(ながとや)の「Fly Me to The Moon 羊羹ファンタジア」。
エピローグ
羊羹は2センチ2ミリに切る、というおばさん。
好みのお皿を選んで、草刈さんはお茶、おばさんはコーヒーといっしょにいただきます。
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音楽 BGM
ジャズの名曲が流れる美の壺。番組BGMファンもいらっしゃるのではないでしょうか。
オープニング曲と番組内挿入曲をまとめましたので参考にどうぞ。リンク先で試聴できます。
オープニングテーマ
オープニングテーマ は Art Blakey And The Messengers(アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ)の名曲「Moanin’」。ジャズドラマー アート・ブレイキーが1958年に発表した同名のアルバムに収録されています。作曲はピアニストの Bobby Timmons(ボビー・ティモンズ)。
番組内 楽曲
美の壺 2024年(2024年1月〜2024年12月)放送スケジュール 初回放送・再放送 全まとめ はこちらをどうぞ!
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