NHK「美の壺(びのつぼ)」は普段使いの器から家具、着物、料理、建築に至るまで、衣食住、人の暮らしを彩ってきた美のアイテムを解説してくれる番組。紹介されたものは何?場所はどこ?出演は誰?どこで買える?と興味津々。
そんな気になる「美の壺・美術の鑑賞マニュアル」を詳しく調べてみました。最後に番組内の音楽もまとめてあります。
美の壺「京の味 夏」File 641
出演は俳優の 草刈正雄(くさかり まさお)さん、ナレーション(語り)は俳優の 木村多江(きむら たえ)さんです。
NHK BS(BS101チャンネル)
初回放送:2025年8月22日(金)21:15~21:45
再放送 :2025年8月29日(金)12:00~、2025年8月30日(土)07:30〜
BSプレミアム4K
初回放送:2025年8月13日(水)19:30~20:00
再放送 :2025年8月18日(月)13:00~、2025年8月20日(水)08:00~
2025年8月23日(土)06:45〜
でNHKの動画配信サービス NHKオンデマンド を視聴可能。 U-NEXT美の壺 も見逃し配信中。
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美の壺 京の味 夏 File 641 内容
涼やかに華やかに!京都の夏の美味が登場!
夏の風物詩・鴨川の「納涼床(ゆか)」。川風をまとう雅な京料理で夢気分!
貴船の名物「川床(どこ)」では、旬のあゆを風景画のように味わう!?
京町家の台所に密着!夏野菜のおかずから伝統の漬物まで、暑さを乗り切る旧家のレシピ
京都人が6月30日に食べる菓子「水無月(みなづき)」に込めた思い
涼感あふれる京菓子で表現する夏の情景にうっとり…
プロローグ
京都に来た草刈さん。この暑さじゃどこにも行けないよ、と嘆いています。
美の壺 一、床:川で味わう夏のひととき
ひとつめのツボは 床:川で味わう夏のひととき。
鴨川納涼床 / 鴨川の夏の風物詩【京都市】
京都の夏は「油照り(あぶらでり)」と呼ばれる盆地特有の暑さで有名。
厳しい夏を乗り切ろうと 知恵を凝らした食文化が育まれてきました。
京都の街を南北に流れる 鴨川(かもがわ)。
夕暮れどきに井面を照らすのは、夏の風物詩 鴨川納涼床(かもがわのうりょうゆか)です。
川沿いの飲食店に夏の間だけ登場する高床式の座敷。川風を感じながら食事を楽しむことができます。

江戸時代には既ににぎわいを見せていた鴨川の夕涼み。
歌川広重「京都名所之内・四條河原夕凉(きょうとめいしょのうち しじょうがわらゆうすずみ)」にも描かれています。
浅瀬に床几(しょうぎ)を置いて酒や料理を楽しんでいました。
納涼床の始まりは江戸時代初期だとされています。
戦国時代の後期、1590年に豊臣秀吉が三条大橋と五条大橋を石柱橋に架け替えると、鴨川の河原は見世物や物売りで賑わうようになります。
江戸時代、太平の世になると、富裕な商人が見物席を設けたり、茶店を営業したりし始めました。これが納涼床の始まり。石垣や堤が整備され、付近に花街が形成されて歓楽街になりました。
2006年に京都鴨川納涼床協同組合が組織され、納涼床設置規則を定めて許可窓口となります。
現在は上木屋町・先斗町・西石垣・下木屋町 の4つのエリアで80軒近くが納涼床を運営。
毎年5月〜10月中旬まで納涼床が営業されています(営業日時は店舗による)。
名前 | 鴨川納涼床(かもがわのうりょうゆか) |
WEB | https://www.kyoto-yuka.com/ |
鴨川に面した納涼床のあるお店が予約できます。
築150年の和風建築をリノベーションしたレストランで京都の旬の食材を使った正統派フレンチが楽しめます。
ディナーコース1名 目安 ¥8,800〜(税込)
数寄屋造りの町屋で季節の食材を使った正統派イタリアンが楽しめます。
ディナーコース1名 目安 ¥10,900〜(税込)
松井薫さん / 京料理ちもと / 納涼床【京都市・下京区】

創業300年余りの料理店と紹介されていたのは 京料理ちもと(きょうりょうり ちもと)。女将は 松井薫(まつい かおる)さん。
享保3年(1718年)に西陣の千本通りで創業し、明治初期に現在の四条大橋西詰に移転。木造三階建の本格数奇屋造の建物を構えています。
四季折々の旬の素材で贅を凝らした京料理は画家・文化人・歌舞伎役者に愛されてきました。
夏の特別なひとときを演出する 納涼床(のうりょうゆか)。
開放的な空間にゆったりとしつらえた座敷。川の音も街の眺めも丸ごと五感で味わいます。
日が暮れて明かりがともれば、そこは別世界。
宵の宴で供されるのは、見目麗しい京料理。美しい器と旬の料理が夢の世界へと誘います。
川の向こうには南座があり、大変賑やかな場所。しかし鴨川のせせらぎが騒音をかき消してくれる。特等席を鴨川が用意してくれている、と松井さん。
夏の料理で欠かせないのが 鱧(はも)。涼しげな白身と上品なうまみが特徴の、京都の夏を代表する味です。
生命力が強く、海から生きたまま運べた鱧は夏の食材として親しまれてきました。
しかし硬い小骨が無数にあるため、食べるには一手間。
およそ1mmほどの細かさで しっかりと小骨を切り込み食べやすくします。
湯引きをすると牡丹の花のように身が開き 華やぎを添えます。
京の夏ならではの装いの 八寸(はっすん)。
テーマは毎年7月に行われる 祇園祭(ぎおんまつり)。華麗な山鉾(やまほこ)や お囃子で街はにぎわいます。
鉾を模した器で祭りさながらに気分をもり立てます。
いかに京都の遊び心、雅やかさ、旬をお客様にお伝えできるかということに心を砕いている松井さん。
納涼床の非日常の空間で京料理を召し上がっていただきながら、思い思いの大人の夏時間を過ごしていただきたいと語っていました。
気になるお値段は
昼 9,350円〜44,000円(税込、別途サービス料15%)
夜 19,030円〜44,000円(税込、別途サービス料15%)
名前 | 京料理ちもと(きょうりょうり ちもと) |
住所 | 京都府京都市下京区西石垣通四条下る斉藤町140-5 |
電話 | 075-351-1846 |
WEB | https://chimoto.jp/ |
営業時間 | 火〜日:12:00〜14:30, 17:00〜21:30 |
定休日 | 月曜 |
鴨川に面した納涼床のあるお店が予約できます。
春は木屋町通りの桜並木、5月~9月の夏は鴨川の川床、紅葉の秋は松茸、冬はふぐ、四季折々の食材が楽しめます。
ディナーコース1名 目安 ¥13,000〜(税込)
築170年のお茶屋2軒をつないでリノベーションした店内でいただく正統派の京懐石。
ディナーコース1名 目安 ¥10,350〜(税込)
濱本晃輔さん / 貴船 ひろや / 川床でいただく鮎の石庭盛り【京都市・左京区】

京都市北部 の山あいに位置する 貴船(きぶね)は市街地よりも気温が5度ほど低いといわれ、避暑地として長年親しまれてきました。

ここ貴船にも夏ならではの味わいがあります。
渓流のすぐ真上で食事を楽しむ 川床(かわどこ)。涼を満喫する大正時代から続くもてなしです。
紹介されていたのは料理旅館 貴船 ひろや(きぶね ひろや)。川床は5月1日〜9月30日まで営業しています。

料理にも川ならではの演出があります。解説してくれたのは料理長の 濱本晃輔 さん。
旬を迎えた 鮎の塩焼き を渓流の景色に添えて。石庭盛り(せきていもり)です。
料理人は調理だけではなく画家のように腕を振るいます。
黒漆の盆に石と白砂(しらすな)で風景を描く 盆石(ぼんせき)から発想を得たのではないかという濱本さん。
濱本さんも盆石を見て勉強しているそうです。

石庭盛りで使うのは塩と粒子の細かいコーンスターチ。
大きさの異なる粒が絵に濃淡を与えるといいます。
水鳥の羽根でグラデーションをつけながら、白ー色で勢いあふれる水の景色を描きます。
杯も絵を描く道具。月の形を浮かび上がらせます。
茶こしで描くのは水しぶき。滝の景色が見るまに完成です。

目の前の川を見て描いてはいますが、空想でイマジネーションを膨らませているという濱本さん。
鮎をいただく時だけ出会える一期一会の景色です。
名前 | 貴船 ひろや(きぶね ひろや) |
住所 | 京都府京都市左京区鞍馬貴船町56 |
電話 | 075-741-2401 |
レストラン予約 | 一休レストラン:https://restaurant.ikyu.com/101433 |
宿泊予約 | 楽天トラベル:https://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/44006/44006.html じゃらん:https://www.jalan.net/yad347342/ るるぶ:https://www.rurubu.travel/hotel/japan/kyoto/kyo-kibune-hiroya agoda:https://www.agoda.com/ja-jp/kibune-hiroya/hotel/kyoto-jp.html ![]() |
紹介されていた 貴船 ひろや(きぶね ひろや)。涼しい川床で食事がいただけます。
夏の川床は別世界。鮎の石庭もいただけます。
ディナーコース1名 目安 ¥16,500〜(税込)
紹介されていた 貴船 ひろや(きぶね ひろや)は宿泊もできます。客室は20室でベッドのお部屋もあり。
川に面した落ち着いた客室で夏は青紅葉、秋は紅葉が楽しめます。
朝・夕の2食付き。夏の夕食は川床でいただけます。
美の壺 二、町家:巡る季節をいただく
ふたつめのツボは 町家:巡る季節をいただく。
秦めぐみさん+秦トキさん / 京都秦家 / 京町家の夏のおばんざいと漬物【京都市・下京区】

京都の街に残る伝統的な木造の住まい 町家(まちや)。
紹介されていたのは 京都市下京区 の 京都秦家(きょうとはたや)。主宰は 秦めぐみ(はた めぐみ)さん。
秦家が初代・松屋與兵衛は元禄13年(1700年)に薬種業を創業。小児薬「竒應丸(きおうがん)」の製造卸業を家業とし、秦めぐみさんの父の代まで12代続きました。
現在の建物は明治2年(1869年)築。伝統的な京都の商家の佇まいを残していて、通りに面した店舗と玄関部分は京都市有形文化財に指定されています。
昭和61年(1986年)に薬問屋の営業を終了し、現在は秦めぐみさんと母の秦トキさんが暮らす住宅として使われています。
また、事前予約をすると見学可能。1日1組限定で秦家に伝わる家庭料理をいただくこともできます。
料理教室や祇園祭期間のお茶会など不定期でイベントも開催されています。詳細は公式サイトでご確認ください。
毎年6月になると家のしつらえを夏仕様に切り替える 建具替え(たてぐがえ)が行われます。
蔵の中から取り出したのは夏の建具、簾戸(すど)。すだれをはめ込んだ風通しの良い造りで、ふすまに替えて使います。
畳の上にはひんやりとした感触が心地よい 籐(とう)で編んだ 筵(むしろ)。
庭からの風が抜けていく、涼しげな空間が出来上がりました。
秦家は祇園祭の間は 太子山(たいしやま)の会所飾りの会場となるため、7月1日には家を夏の形にしなくてはいけません。建具替えが完了すると夏になっというスイッチが入る、と秦さん。
名前 | 京都秦家(きょうとはたや) |
住所 | 京都府京都市下京区仏光寺下ル太子山町594番地 |
電話 | 075-351-2565 |
WEB | https://www.hata-ke.jp/ |
瓜の葛ひき
築150年以上になる秦さんの家。
お父さんの代まで12代、薬問屋を営んでいました。
商家に伝わってきた昔ながらの味を受け継ぐ秦さんが夏の料理を教えてくれました。
日々の食事も夏らしく。
みずみずしい緑をたたえる夏野菜、朝瓜(あさうり)。
新鮮なものが出始めると必ず作るという料理、瓜の葛ひき(くずひき)。秦家の夏の定番です。
瓜をしっかり茹でて、鮮やかな緑色になったら素早く冷やして色を止めます。
透明感も涼しさを演出。そして温かい出汁と合わせます。
夏でもあまり冷たいものをとらないようにしているのだとか。
しょうがと梅を添えていただきます。
体に優しく目には涼やか。旬の瓜を味わい尽くします。
昔ながらの先人の知恵を大切に。毎年この時期にはこれが手元にある、それが幸福。
地域の行事も巡ってくるし、食材も巡ってくるし、そういう年中の巡りによって自分は生かされていると語る秦さん。
甘酢しょうが
毎年夏を迎えるために作り置く 甘酢しょうが。
熱々の甘酢を新しょうがにかけて。2週間ほど漬けると優しいピンク色になります。
辛みの強いところが赤い色に反応するのだとか。
体がだるくなったりするこの時期に、体が求める味です。
万願寺とうがらし
地元でとれる野菜も献立には欠かせません。
緑がみずみずしい 万願寺とうがらし(まんがんじとうがらし)。
美の壺 File 424「京野菜」の回でも紹介された野菜。肉厚で甘みがあります。
調理法は 至ってシンプル。サッと焼くだけ。濃い口しょうゆをかけていただきます。
暑い夏に調理の時間をかけずに手早く1品。
とうがらしのスパイシーな香りが体をシャキッとさせてくれます。
聖護院大根の漬物「ひゃくいち」
秦家で夏の食卓に代々伝わる味。
乾燥させた茄子の葉・ぬか・塩で漬けた 聖護院大根(しょうごいんだいこん)の漬物・ひゃくいち。
毎年冬に仕込んで初夏に口開けをします。
初めは非常にフレッシュな、きれいな色。
だんだん気温が上昇していくとともに塩を打って、それに耐えられるように調整をしていくと、色もついて茶色い色になってきます。
発酵が進むと「ひねた味」と呼ばれる非常に癖の強いものに変化していきます。
ひと夏の間に色と味が少しずつ変わってゆく漬物。その変わりゆく様も家族の楽しみなのだとか。
商家の朝食はお茶漬けかおかゆさん。
お茶漬けの白いごはんも前日の冷やごはんに熱いお茶をかけて食べる。
短時間で食べて、仕事をする、学校へ行くのが日常だでした。
そこに何で変化つけるかというところで出てくるのが漬物。それが楽しみだったそうです。
漬物は今も朝ごはんの大切な一品。
母・トキさんと「ひゃくいち」の味の変化を楽しんでいました。
巡る季節を味わう。秦家の夏の食卓です。
美の壺 三、夏越:夏を思う
最後のツボは 夏越:夏を思う。
上賀茂神社 / 夏越の大祓(なごしのおおばらえ)【京都市・北区】
京都市北区 の 上賀茂神社(かみごもじんしゃ)は京都で最も古い神社の一つ。正式名称は 賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)。
毎年6月30日に、半年の災いを祓い来たる半年の無病息災を祈る 夏越の大祓(なごしのおおばらえ)が行われます。
かやで編まれた 茅の輪(ちのわ)をくぐると、厄が落ちて身が清められるのだとか。
平安時代の和歌にも詠まれていた千年も昔から大切にされてきた節目です。
この日に合わせて食べる 水無月(みなづき)という生菓子があります。
小麦粉や米粉などで作ったういろうの上に、甘く煮た小豆を敷き詰めたもの。
小豆の赤は邪気を祓うといわれています。
名前 | 上賀茂神社(かみごもじんしゃ) |
住所 | 京都府京都市北区上賀茂本山339 |
電話 | 075-781-0011 |
WEB | https://www.kamigamojinja.jp/ |
営業時間 | 5:30〜17:00 |
定休日 | なし |
石原義清さん / 御菓子司 俵屋吉富 / 夏の生菓子・水無月【京都市・上京区】
毎年6月30日に食べられるという 水無月(みなづき)という生菓子は多くの和菓子屋さんが作っています。
紹介されていたのは 京都・上京区 の 京菓子司 俵屋吉富(きょうがしつかさ たわらやよしとみ)。
宝暦5年(1755年)に初代・俵屋惣兵衛が奉公していた御菓子司を相続したことが俵屋の始まり。
大正13年(1924年)に石原留治郎が俵屋を継承して屋号を俵屋吉富としました。

現在の本店は昭和8年(1933年)に建てられたもの。
NHKドラマ「京都人の密かな愉しみ」で常盤貴子さんが演じる主人公・沢藤三八子が若女将を務める老舗和菓子屋「久楽屋晴信」のロケ地になっています。
水無月の解説してくれたのは9代目主人の 石原義清(いしはら よしきよ)さん。
旧暦の水無月というのは、現在の6月の下旬から8月の中旬ぐらいまでのこと。
暑くなって梅雨が終わって夏を迎えるときの験担ぎみたいなものでは、と石原さん。
店に残る菓子の図案帳を見せてもらいました。
先々代の頃に作られた水無月が描かれています。
祖父・石原留治郎の時代は小豆を敷き詰めるのではなくて散りばめたようなもの。
もともとは氷室の氷がモチーフだとされています。
平安時代、氷室で保存した氷を暑気払いとして食べる風習がありました。
その氷にちなんで水無月が生まれたともいわれています。
大事なのは毎年この時期に水無月を作ること。
代々伝わっていたお菓子を食べる習慣とか風習を絶やさず続けていくことが京都の文化のひとつだと語る石原さんでした。
名前 | 京菓子司 俵屋吉富(きょうがしつかさ たわらやよしとみ)本店 |
住所 | 京都府京都市上京区室町頭町285-1 |
電話 | 075-432-2211 |
Amazon公式 | 俵屋吉富 Amazon店 |
WEB | https://kyogashi.co.jp/ |
営業時間 | 月火木金土:8:00〜16:00 |
定休日 | 日曜・水曜 |
俵屋吉富(たわらやよしとみ)の和菓子。
髙家啓太さん / 御菓子司 塩芳軒 / 夏の京菓子【京都市・】
京都市上京区 にある明治15年(1882年)創業の老舗和菓子店 御菓子司 塩芳軒(おかしつかさ しおよしけん)。西陣で140年以上続く和菓子店です。
和菓子作りを見せてくれたのは5代目主人の 高家啓太(たかや けいた)さん。
高家さんは 美の壺 File 624「雪」の回にもご出演。
美の壺 File 603「京の味 春」で紹介された 御菓子司 聚洸(おかしつかさ じゅこう)の 髙家裕典(たかや ひろのり)さんは実弟です。
夏越の祓(なごしのおおばらえ)も終わり7月になると、水無月(みなづき)に代わって涼やかな菓子が並びます。
季節季節の京菓子を作り続ける高家さんがこの時期 頻繁に扱うのが 葛(くず)。
葛を使って 水牡丹(みずぼたん)という生菓子を作る工程を見せてもらいました。
まずは葛を水で溶かし、砂糖と水あめを混ぜて火にかけます。
焦がさないように練り上げていくと徐々に粘りが。透明感も増してきます。
5分ほどで葛の生地が出来上がりました。
葛は冷めると固くなってしまうため、熱いうちに形にします。
合わせるのは薄紅色に染めた あん。
葛の生地で あんを手早く包み込んでいきます。
そしてぬらした布巾で包み、絞って形をえます。氷水で冷やすと花のつぼみのような形に。
さらに蒸し上げて、みずみずしい葛に薄紅色が透ける 水牡丹が完成。
夏を代表する涼感あふれる生菓子です。
高家さんは水牡丹に手を加えさまざまな夏を表現します。
緑のあん に変えて、庭の緑が滴に映ったような風景を表現。
銘は 滴水(てきすい)。初夏をイメージしました。
今度は表面に凹凸をつけて金箔を落とすと、宵蛍(よいぼたる)。
水辺の岩と蛍のイメージです。
白露(はくろ)は9月に訪れる二十四節気の一つ。
草木に宿る白い朝露が夏の終わりを知らせます。
わからないぐらいがちょうどいい、と髙家さん。
それを見て何を思うかは、食べる人に委ねる。
思い出の中にある風景であったり、人から聞いた世界であったり、イマジネーションを頭の中で広げていただけるのが一番いい京菓子の在り方かな、と語っていました。
名前 | 御菓子司 塩芳軒(おかしつかさ しおよしけん)本店 |
住所 | 京都府京都市上京区飛弾殿町180 |
電話 | 075-441-0803 |
WEB | https://www.kyogashi.com/ |
営業時間 | 月〜土:9:00〜17:30 |
定休日 | 日曜 |
エピローグ
暑さを忘れようといろいろ試した草刈さんでしたが効果はありません。
そうこうするうちに日が傾いてきました。おしゃれして鴨川で夕涼み。京都の夏をたっぷりと楽しみましょう!
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音楽 BGM
ジャズの名曲が流れる美の壺。番組BGMファンもいらっしゃるのではないでしょうか。
オープニング曲と番組内挿入曲をまとめましたので参考にどうぞ。リンク先で試聴できます。
オープニングテーマ
オープニングテーマ は Art Blakey And The Messengers(アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ)の名曲「Moanin’」。ジャズドラマー アート・ブレイキーが1958年に発表した同名のアルバムに収録されています。作曲はピアニストの Bobby Timmons(ボビー・ティモンズ)。
番組内 楽曲
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