NHK「美の壺(びのつぼ)」は普段使いの器から家具、着物、料理、建築に至るまで、衣食住、人の暮らしを彩ってきた美のアイテムを解説してくれる番組。紹介されたものは何?場所はどこ?出演は誰?どこで買える?と興味津々。
そんな気になる「美の壺・美術の鑑賞マニュアル」を詳しく調べてみました。最後に番組内の音楽もまとめてあります。
美の壺「美の宝箱 古墳」File 655
出演は俳優の 草刈正雄(くさかり まさお)さん、ナレーション(語り)は俳優の 木村多江(きむら たえ)さんです。
X(旧 twitter)(@kininarutips)でも新作・再放送の放送日にお知らせしています。
NHK BS(BS101チャンネル)
初回放送:2026年3月10日(金)19:30~20:00
再放送 :2026年3月20日(金)12:00~、2026年3月21日(土)07:30〜
BSプレミアム4K
初回放送:2026年3月4日(水)19:30~20:00
再放送 :2026年3月11日(水)08:00~、2026年3月14日(土)06:45〜
U-NEXT でNHKの動画配信サービス NHKオンデマンド を視聴可能。美の壺 も見逃し配信中。
虎に翼・
らんまん・
なつぞら などの朝ドラや
光る君へ・
鎌倉殿の13人・
真田丸 などの大河ドラマ、
探偵ロマンス・
正直不動産 などの名作ドラマ、
ファミリーヒストリー「草刈正雄」を一気見できます。U-NEXTは初回31日間無料トライアル。
NHKオンデマンド は別料金ですが、もらえる600ポイントで購入できます。PR
美の壺 メガネ はこちらをどうぞ!

美の壺 2025年度(2025年4月〜2026年3月)バックナンバー はこちらをどうぞ!

美の壺 美の宝箱 古墳 File 655 内容
▽その数およそ16万。悠久の歴史を今に伝える「古墳」。計算された巨大な造形や、内部に残された副葬品の数々。謎多き“美の遺伝子”とは
▽古代マニアの片桐仁さんが復元された古墳を探訪・魂が天へと昇る壮大な舞台装置
▽高松塚古墳1300年前の国宝壁画
▽驚きのハイテクが詰まった鉄製のヨロイやカブト
▽大きな刀に刻まれた空をかける龍
▽陶芸のルーツ・古代の技法に挑む!現代作家が道具まで復元してよみがえらせた器とは。
プロローグ
美の壺 一、起源:古墳に美意識の原点あり
ひとつめのツボは 起源:古墳に美意識の原点あり。
片桐仁さん / 俳優・造形作家 / 保渡田八幡塚古墳【群馬県 高崎市】
俳優で造形作家の 片桐仁(かたぎり じん)さんは大の古代マニアで古墳も大好き。
訪れたのは 群馬県高崎市、榛名山(はるなさん)の麓でその威容を誇るのが、保渡田八幡塚古墳(ほどたはちまんづかこふん)。
全長は190m。5世紀後半に造られました。
二重の堀が巡らされた前方後円墳。発掘調査に基づいて、3年以上をかけ当時の姿に復示されました。
古墳の縁に沿って置かれているのは、その数およそ6,000個もある 円筒埴輪(えんとうはにわ)
古墳を外の世界と分ける結界だったともいわれます。
古墳の斜面には造られた当時と同じように、ふき石 が規則的に置かれています。
丸き綺麗なふき石の数は40万個に及びます。
形の揃った石が規則正しく並んでいる様を見た片桐さん。日本人は凝り性でマニアな民族だと感じたようです。
古墳の上にも登ることができます。
上部は「天空のスロープ」と呼ばれる構造。
亡くなった王を天高くへと送り出す舞台装置だったという説もあります。
真横から見ると前と後ろでスロープの角度が異なっています。
スロープの角度は美しく見せるため計算されたものでは、と片桐さん。
今見ても美しいと思う形状。美意識は現代と共通している部分があるのかもしれませんね。
| 名前 | 保渡田八幡塚古墳(ほどたはちまんづかこふん) |
| 住所 | 群馬県高崎市保渡田町200-12 |
| 電話 | 027-373-8880 |
| WEB | https://www.city.takasaki.gunma.jp/site/sightseeing/6322.html |
| 営業時間 | 24時間 |
| 定休日 | なし |
| 名前 | 片桐仁(かたぎり じん) |
| WEB | https://twinkle-co.co.jp/talent/katagirijin/ |
増記隆介さん / 東京大学 准教授 / 高松塚古墳【奈良県 明日香村】
奈良県明日香村(あすかむら)にある 高松塚古墳(たかまつづかこふん)は7世紀末から 8世紀初頭にかけて造られた 円墳(えんぷん)。
1972年の発掘調査で発見されたのは石室内部に描かれた1,300年前の 壁画(へきが)。
切石(きりいし)に厚さ数mmの漆喰を塗り、その上に白虎(びゃっこ)・青龍(せいりゅう)・玄武(げんぶ)などの聖獣や男子群像・女子群像などの人物像が描かれていました。
美術史を研究している東京大学准教授の 増記隆介(ますき りゅうすけ)さんは文化庁に勤務していた時に壁画の保存に関わりました。
石室の暗い中で、懐中電灯のようなものを使って女子群像を照らし出して見た時のことを今でも覚えています。
本当に小さな絵。よくこんなに小さく可憐な女性たちが1300年近い時間を土の中で残ってきたんだなと驚いたと同時に純粋にすごく綺麗だなと思ったそうです。
女子群像は西壁と東壁に描かれています。
中でも西壁の4人の女性たちは色鮮やかで、描かれた時代から「飛鳥美人(あすかびじん)」の愛称がつけられました。
西の女性たちは、東と異なり頭の高さを変えて描がれています。西壁と東壁は違う作者のものだろうと考えられていて、そこから日本の絵画の歴史が見て取れると増記さん。
西側は女子4人の頭の高さを変え、空間がうまく作られています。
また、現実の人をそのまま描いたというよりは、より美しくより整った形で描いています。
画風が新しく、西壁の方が東壁よりも少し若い絵描きが描いたという印象。
そういった種類の絵画は日本の古代にはほぼ残っておらず、その後は平安時代の絵巻物につながってくる。
「源氏物語絵巻」などのご先祖になります。
なのでこの壁画は日本の絵画の歴史を考えるうえで大変重要だと考えられています。
壁面は1974年に国宝指定。封印され現地保存されました。
しかしカビの発生などが進んだため、2007年に石室を解体。
16個に切り分けて運び出し、修理が行われることになりました。
絵の表面のカビや汚れを筆で取り除く地道な作業。
完了したのは2020年3月。実に10年以上の歳月を要しました。
現在は年に数回特別公開されています。
| 名前 | |
| 住所 | |
| 電話 | |
| WEB | |
| 営業時間 | |
| 定休日 |
美の壺 二、最先端:流行と革新の造形
ふたつめのツボは 最先端:流行と革新の造形。
上野祥史さん / 国立歴史民俗博物館 准教授 / 古墳時代の鉄製の甲冑の高度な技術【千葉県 佐倉市】
千葉県佐倉市 国立歴史民俗博物館
国立歴史民俗博物館准教授 上野祥史(うえの よしふみ)さん
千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館
鈇製甲冑(熊本県 マロ塚古墳出土)
ここに所蔵されているのが古墳時代の鉄製の甲冑。熊本県マロ塚古墳から出土したものです。
古墳時代の甲冑の研究プロジェクトを進めてきた上野祥史(うえの よしふみ)さん。
シンプルな形の中に制作者の技術の高さがかいま見えるといいます。
上野「この鉄製のよろいは複雑な曲面、ただのアールを持っているのではなくて、脇まわりとか背中の丸い部分をどう作っていくか。
そしてこれも一つの鉄板から作るのではなく、いくつかのパーツを組み合わせて複雑な曲面を持った造形物を作っていくので、当時のさまざまなハイテク技術を反映したものであったと考えられています。
小札鋲留衝角付胄
中でもこちらのかぶとには、当時の技術の粋が詰め込まれています。
上野「元々かぶとは革ひもで鉄板を留めていくのが古い段階で、その後にリべットで
鋲(びょう)で留めるという作り方に変わっていく。
鉄板と鉄板の重なりが同じ幅でまわらないととじていけない
上下別々の板のパーツが並んでいますが、縦のラインはきれいにそろえられています。
衝角
さらに「衝角しょうかく」と呼ばれるかぶとの正面、額の部分にも高度な技が。
裏返して見ると、頭頂部から続く一枚の鉄板をまるで折り紙のように正確に折り曲げリベットで留めていることが分かります。
これらの武具は同じ形のものか全国各地で出土しています。
中央から地方の有力者に配られたとされます。
上野「政権の中枢にあるような工房で物を作っていく。そのときにアイデアや技術が新しいものづくりには必要とされた。
要はいろいろな物が絶えず新しく作り出され
それを共有する、美意識的なものも
その物と同時に絶えず刻々と変わっていく、そういう世界であったのではないかなと思います。
| 名前 | 国立歴史民俗博物館(こくりつれきしみんぞくはくぶつかん) |
| 住所 | 千葉県佐倉市城内町117 |
| 電話 | 043-486-0123 |
| WEB | https://www.rekihaku.ac.jp/ |
| 営業時間 | 火〜日:9:30〜16:30 |
| 定休日 | 月曜、年末年始 |
寺原進さん / 木更津市郷土博物館金のすず / 金鈴塚古墳【千葉県 木更津市】
千葉県木更津市 金鈴塚古墳(きんれいづかこふん)
木更津市郷土博物館金のすず
学芸員 寺原進(てらはら すすむ)さん
千葉県木更津市。
市街地の一角に1400年前の古墳があります。
金鈴塚古墳(きんれいづかこふん)です。
昭和25年の調査で石室から日本で唯一のものが見つかりました。
金の鈴、金鈴(きんれい)です。
5つが出土しています
写真提供:木更津市郷土博物館金のすず
大きさは直径僅か1cmで重さ1g。
金の純度は98%ほぼ純金です。
帯に下げる装飾として使われたといわれています。
寺原「鍛造と呼ばれるもので金の地金をたたいて成形している。
上半分と下半分で分けてそれぞれ半球状のものを作って、それを真ん中でつなぎ合わせている
飾大刃(かざりたち)
もうひとつ金鈴塚古墳が誇る出土品があります。
「飾大刀」と呼ばれるさまざまな形の刀が19本も出土しておりその数は日本一です。
刀の形状から実用品ではなく儀礼のためのものだといわれます。
頭椎大刀(かぶつちたち)
柄つかの先端が拳状の 頭椎大刀。
柄の部分は表面に金メッキした銅板を巻きつけています。
そこにわらびのような文様が小さな点で刻まれています。
双龍環頭大刀(そうりゅうかんとうたち)
こちらは 双龍環頭大刀。
先端の飾りには2匹の龍。
向かい合って玉(ぎょく)をくわえています。
シンプルに図案化されたデザインです。
単龍環頭大刀
一方、こちらもデザインに龍が使われていますが表現の仕方はより細密。
飾り全体が1匹の龍。中心に顔があり、そこから、ひとつなぎで空を駆け巡る姿を表現しています。
大きく口をあけた顔もリアル。体にはうろこまで刻まれており制作者のこだわりが感じられます。
寺原「出土品から見えてくる古墳の美ということですけれども。
これほど多くの豪華な副葬品を持てる限られた人に向けて作るということなので、こだわった一点というものを追求していたのかもしれない。
古墳に葬られた人物の威信を示す輝き。
その裏には驚くほど精緻な技がありました。
| 名前 | |
| 住所 | |
| 電話 | |
| WEB | |
| 営業時間 | |
| 定休日 |
美の壺 三、継承:古代の”風”を受け継ぐ
最後のツボは 継承:古代の”風”を受け継ぐ。
馬場昌一さん / 寒風陶芸館 館長 / 寒風古窯跡群【岡山県 瀬戸内市】
岡山県瀬戸内市 寒風古窯跡群
寒風陶芸館(さぶかぜとうげいかん)館長 馬場昌一(ばば しょういち)さん
岡山県瀬戸内市。
かって「備前国(びぜんのくに)」と呼ばれ、陶芸の伝統は 古墳が造られた時代にまでさかのぼります。
寒風地区(さぶかぜちく)には 7世紀を中心におよそ100年にわたって焼き物の窯がありました。
焼かれていたのは「須恵器(すえき)」と呼ばれる硬い土器。
須恵器は各地の古墳からも出土しています。
須惠器 甕
1,300年前に寒風で焼かれた須恵器の甕かめ。
朝鮮半島から伝わった技術で作られました。
窯を使って1, 000度を超える高温で焼くことで全体がグレーがかった白に。
緑色の釉薬をかけたような模様は薪の燃えた灰が溶けて自然にできたものです。
杯(つき)
こちらは「杯」と呼ばれる蓋付きの食器。
ろくろが使われるようになったことで、縁の部分のような薄い仕上げができるようになりました。
長頸壺(ちょうけいこ)
須恵器は古墳の副葬品としてだけでなく、日々の暮らしの器として親しまれ平安時代まで受け継がれます。
そして、この備前地域では独自の展開を見せます。
馬場「須恵器はここ(備前地域)で500年ぐらい作られ続ける。
その中で古代から中世に変わるという時代にその製作の技術であるとか窯構造がのちの備前焼につながっていった。
やはり現代の陶芸につながっていく原点となったと思う。
| 名前 | |
| 住所 | |
| 電話 | |
| WEB | |
| 営業時間 | |
| 定休日 |
末廣学さん / 陶芸家 / 須恵器の復元と新しい器づくり【岡山県 瀬戸内市】
陶芸家 末廣学(すえひろ まなぶ)さん
岡山県瀬戸内市の寒風地区。
ここで窯を開いている未廣学さん。
備前焼のルーツである須恵器を、古代の技法で復元する取り組みを行ってきました。
複元した須意器 甕
未廣さんが復元した須恵器の甕(かめ)。
高さは45cmあります。
特に頭を悩ませたのが この底の形。
形らではないのでろくろが使えません。
考古学の論文を読み、研究者と意見交換しながら試行錯駅しました。
制作の様子を見せてもらいます。
内側から当て具を押しつけながら羽子板状の板で表面をたたきます。
こうすることで 器を薄く延ばしながら大きくするのです。
末廣「たたいて薄くして膨らます
なかなか一気にはできない。
たたいては乾かしてたたいては乾かしてを繰り返して理想の形にする
たたいた時 板に器の土がくっつくと変形してしまいます。
そこで土離れがいいように板に麻紐を巻いたり、焼き板にしたり。
さまざま試して、溝を格子状に彫った板を使うことにしました。
内側から当てる道具にも同心円状の溝を刻みました。
寒風古窯跡群から出土した須恵器の破片
これは実際に寒風の素跡から出土した須恵器の破片に残っていた文様と同じ。
内側にも・・。
そして外側にも道具の跡がそのまま残ります。
底もたたいて延ばすことで、少しずつ 丸くとがった形に。
作りやすさを追求した結果出来上がった須惠器。
末廣「飲がないというか狙ってないんです。
「用」というかやりやすい工程として自然にできたものなので嫌みではなく、これをわざわざ付けちゃったら多分いやらしいものになると思うんですけど、本当に作る過程のなかでできる痕跡なので今となってはすごくおもしろい
陶芸家 三浦雅人さん
陶芸家 三浦裕二さん
未廣さんは今、陶芸家の仲間とともに
古代の技法を受付継ぎ現代的な作家性も取り入れた新しい器づくりを行っています。
長頸壺 末廣学作
寒風須恵器です。
素朴なグレーの色合い。
鈴の馬上盃 松川広己作
自然の流れに任せた釉薬。
集い鳥平瓶 三浦雅人作
時を超え 今の暮らしに彩りを添えます。
末廣「いや~やっぱりなんかもう
今っぽい 現代っぽい 古く感じない
それはもうデザインもいろいろあるんですけど。
そういうので こう もっとこうなんか いろんなことで発言できればいいなと思ってるんですけど。
いにしえの風を未来へ。
| 名前 | |
| 住所 | |
| 電話 | |
| WEB | |
| 営業時間 | |
| 定休日 |
エピローグ
U-NEXT でNHKの動画配信サービス NHKオンデマンド を視聴可能。美の壺 も見逃し配信中。
虎に翼・
らんまん・
なつぞら などの朝ドラや
光る君へ・
鎌倉殿の13人・
真田丸 などの大河ドラマ、
探偵ロマンス・
正直不動産 などの名作ドラマ、
ファミリーヒストリー「草刈正雄」を一気見できます。U-NEXTは初回31日間無料トライアル。
NHKオンデマンド は別料金ですが、もらえる600ポイントで購入できます。PR
音楽 BGM
ジャズの名曲が流れる美の壺。番組BGMファンもいらっしゃるのではないでしょうか。
オープニング曲と番組内挿入曲をまとめましたので参考にどうぞ。リンク先で試聴できます。
オープニングテーマ
オープニングテーマ は Art Blakey And The Messengers(アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ)の名曲「Moanin’」。ジャズドラマー アート・ブレイキーが1958年に発表した同名のアルバムに収録されています。作曲はピアニストの Bobby Timmons(ボビー・ティモンズ)。
番組内 楽曲
美の壺 2025年(2025年1月〜2025年12月)放送スケジュール 初回放送・再放送 全まとめ はこちらをどうぞ!

美の壺 2025年度(2024年4月〜2025年3月)バックナンバー はこちらをどうぞ!

美の壺 2024年度(2024年4月〜2025年3月)バックナンバー はこちらをどうぞ!

美の壺 2023年度(2023年4月〜2024年3月)バックナンバー はこちらをどうぞ!

美の壺 2022年度(2022年4月〜2023年3月)バックナンバー はこちらをどうぞ!

美の壺 2021年度(2021年4月〜2022年3月)バックナンバー はこちらをどうぞ!

美の壺 2020年度(2020年4月〜2021年3月)バックナンバー はこちらをどうぞ!

美の壺 2019年度(2019年4月〜2020年3月)バックナンバー はこちらをどうぞ!

美の壺 2018年度(2018年4月〜2019年3月)バックナンバー はこちらをどうぞ!

美の壺 2017年度(2017年4月〜2018年3月)バックナンバー はこちらをどうぞ!

美の壺 2016年度(2016年4月〜2017年3月)バックナンバー はこちらをどうぞ!


